選手の個性を最大限に活かした大榎監督の柔軟な采配
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まさにチーム一丸となって勝ちとった優勝といえる
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大榎監督は選手を、学年やそれまでの実績で選ばない。今期のメンバーを振り返ってみると、スポーツ推薦の選手だけでなく、横山(スポ2)や前述の中島など一般入学の選手にも多くの出場機会を与えている。それは、監督の「常にその時のベストをぶつけていく」というスタンスが大きいようだ。「練習や試合で調子がいい、結果を残しているという裏づけからメンバーを決めている」大榎監督もそう話す。また、選手を「大人」として扱うその人柄もチームの雰囲気を大きく変えた。高校時代から活躍していたエリートの多いア式にとって、大榎監督はまさにうってつけの人材である。以前はどこか閉鎖的だったが、今ではまるでクラブチームのように、自由に溢れた雰囲気。そして、それは試合にも現れている。選手をシステムに当てはめるのではなく「適材適所」選手が力を最大限発揮させることを重点においている。今シーズンはそのベストが3−4−1−2であったが、年末に行われた新チームがスタートして初の練習試合では、4−4−2を採用。前線の選手が多い来期は、4−3−3との併用も頭にあるようだ。
来期の展望
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来期はいよいよ一部リーグが戦いの舞台となる
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今年度は、レギュラーとして活躍した4人を始め、4年生が存在感を示した年だった。しかし、激しいレギュラー争いの結果、既存のメンバーは彼らの穴を埋めるに十分な実力をすでに備えている。また来期には、U−18日本代表候補で、スピード溢れるドリブル突破が持ち味のサイドアタッカー松本怜(青森山田高)や、昨年強化選手としてJ2・ザスパ草津でプレーし、パワフルな左足が持ち味のストライカー反町一輝(前橋育英高)など期待の新戦力の加入も決まっている。その他の選手も虎視眈々と出場の機会をうかがっているはずだ。総理大臣杯準優勝という実績や、先日インカレを制した駒澤大に対し今期公式戦で2勝を飾る(総理大臣杯準々決勝4−3、天皇杯都予選2−0)など既に来シーズンの1部リーグ優勝、インカレ優勝も十分射程距離にある。また、都予選で敗れた(学生系予選決勝で国士館大に敗戦)天皇杯出場も期待したい。「在るべき場所へ」不遇のときを経て、早稲田大学ア式蹴球部は再び、大学サッカー界のトップに君臨する。復活という言葉は、その時までとっておこう。
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