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往路総評

 2005年度の早稲田大学はまさに変革の年であった。これまでチームを支えてきた杉山・篠浦・空山の三本柱が抜けることで、新しいチーム作りが目指された。しかし、その中でもキャプテン・高岡弘(人4)を中心にしっかりとしたチーム作りがなされていった。エース・竹澤健介(スポ1)を筆頭に阿久津圭司(スポ1)など若い力の台頭が目立った。予選会も2位で潜り抜け今回の箱根の日を迎える。そして2006年1月2日午前8時、曇り空の中、大手町を高らかに号砲が鳴り響いた。

若い力の台頭を見せた1,2区

 

スタートと同時に1区のスペシャリスト日体大・鷲見が仕掛け、トップに踊りでる。阿久津圭司(スポ1)を含めた選手たちは第2集団を形成し、ダンゴ状態でレースが展開されていった。第2集団は非常にゆっくりとしたペースではあるがトップ・鷲見を追いかけていった。そして、18km付近で走りに勢いを失いつつある鷲見を捕らえる。その後、中央学院大・木原が駒大、日大とトップ争いを演じ、そのままトップで鶴見中継所へ飛び込んだ。一方の阿久津はトップと34秒差7位と上々の出来で2区へ襷を繋いだ。


 エース区間を任された竹澤健介(スポ1)は走り出しから安定感を見せる。日体大・國學院との6位争いではつねに優位な位置に付けていた。しかし終盤、一気にこの2校に離されると結局8位、順位をひとつ落として3区へ襷リレー。この2区で圧巻の走りを見せたのが山梨学院大・モグスであった。12人抜きを見せた後、独走するとそのまま2位に41秒差で襷を繋いだ。また、前年の箱根で快進撃を見せた日大・サイモンは、一時は1位にまで順位を上げるも気候の変化に対応しきれず11位まで順位を落とし戸塚中継所に駆け込んだ。

順位を上げることができなかった3、4区

 3区。早稲田は当日のエントリー変更で急遽、坂口亨(政経4)に代えて宮城普邦(一文3)を起用した。宮城は持ち味の粘り強い走りで順位を簡単に落とさない。しかし、この3区で話題をさらったのは東海大の大物新人・佐藤であった。8人をも抜く脅威の走りは区間新を取るだけでなく、観衆の注目をも独り占めした。その後、宮城は序盤の疲れがでたのか、後半にはいり勢いを失い、10位と順位を落とし、平塚中継所で待つ本多浩隆(スポ2)に襷を繋いだ。

 

 10位で襷を受け取った4区本多は、ゆっくりとではあるが徐々に前を行く順大、城西大に迫っていく。城西大を捕らえるものの、その前を行く順大、亜細亜大には引き離され約1分の差をつけられてしまう。コースが短くなった影響もあり、4区では大幅な順位の入れ替えは見られなかった。最後は本多がトップから遅れること3分51秒の9位で5区高岡へ襷リレー。往路最後の区間での巻き返しに期待された。


粘りの走りを見せ往路9位

 

 5区。急激な気温の低下と、激しい山登りが徐々に選手たちの体力を奪っていく。また、3km近く伸びたコースは選手たちに予想以上のダメージを与えた。東海・伊達もこの難コースを前にして本来の実力を発揮することができず、優勝候補と目標された東海が8位で往路を終えることとなった。対する高岡は、前年の箱根を彷彿とさせる粘り強い走りでじわじわと8位亜細亜大に迫っていく。しかし、後半、亜細亜大に突き放されると思うように順位を上げることができず9位で往路の箱根路を終えた。その5区間で往路の主役になったのは前年に引き続き順大・今井であった。6位で襷を受けると前を走る5選手をごぼう抜きし、トップで往路のテープを切った。

シード権獲得へ向けて

 

 明日は復路を迎える。往路に勢いのある選手を使ってきただけに大幅に順位を上げることは難しいだろう。しかし、前年の苦い思い出を払拭し、名門復活を掲げる序章としてシード権を確実に手にして欲しい。







2006年第82回東京箱根間往復駅伝競走 往路個人記録

区間
氏名
学年
学部
出身
個人記録
区間順位

1区

阿久津圭司
1
スポ科
群馬・東農大二
01.04.15
7

2区

竹澤健介
1
スポ科
兵庫・報徳学園
01.09.55
11
3区
*宮城普邦
3
一文
沖縄・沖縄商学
01.05.43
13
4区
*本多浩隆
2
スポ科
山口・下松
00.56.28
12
5区
高岡 弘
4
人科
埼玉・川越
01.22.17
9
*は当日エントリー変更

 

(TEXT=村山裕太、PHOTO=横山真弓)

 

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