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 前回に引き続き小嶺監督インタビュー第2回目をお送りします。今回は指導者として日本一を目指すことになったきっかけから先生としての教育観、大学サッカー界への期待など小嶺先生自身の切り口からざっくばらんに語ってもらいました。





 
 大学サッカーへの期待を語る

――大学サッカーがいま注目されてきていると思うのですが高校から送り出す側として大学側に期待することはありますか?
 高校への進学率が98パーセント、来年の3月になったら高校の卒業生の数と大学の募集人員の数がイコールになりますよ。そしてまた人数を入れなければその大学は潰れるわけだから受験番号さえ書かして大学に入れれば国から補助金もくるし、授業料も入る。そうしないと大学はやっていけないわけだ。Jリーグができて4、5年間は人数が足らず、誰でもJリーグに入れたけども、だんだんとJリーグはレベルの高い選手しか取れなくなってきたので、大学に行く選手も増えてきますよね、そうなると大学が非常にいい選手が入るようになる。だから、きちっと育ててくれるように大学としてもいい指導者がいいコーチングをしてくれることでしょうね。とくに私生活までね。ある大学の監督さんはうちはきちっと管理してますよと言ってましたけど、アパートとかマンションとかに入った子達は夜2時とか3時まで飲み屋にバイトに行ったりしているんですよ。それではせっかく将来性のある子供が入ってきても私生活で乱れてしまってはね…。子供たちはその辺まで管理されるのは嫌かもしれないけどね、スポーツ選手として将来の日本を担うような選手になるためには私生活はきちっとできるようになってほしいし、またそんなことに重点をおくような指導をして欲しいですね。サッカーだけなら誰でも指導できるんですよ。一番難しいのはそんな子供たちの礼儀とか私生活について教えることなんですよ。グラウンドだけで理論を言えば、いい指導者と思っている大学の指導者は随分多いけど、私生活まで管理することのほうが根気のいることなんですよ。自由ということを勘違いしている指導者が多いのかもしれない。自由と放任というのは紙一重なんです。指導者にとってみれば、自由というほうが簡単なんですよ。そしてうちは自由ですよ、ちゃんと自己管理するようにしてますよと言いますけど、いまの子供達に自己管理はできないですよ。30年前の大学生は自己管理できたかもしれないけど、この時代の大学生で自己管理できる人は稀ですよ。だから大人がきちっと教えてやらなければならないですね。


 
教師はやりがいのある仕事と話す

――指導者としてどうして日本一を目指そうと思いましたか?
 きっかけは、母校の先生がふるさとの神奈川県に帰るということでうちの島原商業にこいということでした。その時、サッカー部で教えるからには日本一になりたいと思いました。最初は笑われましたよ、お前が日本一になったら俺は島原中を逆立ちして歩くと言われましたよ。でも、私としての目標は三つあるんです。一つ目はチームを日本一にしたい、二つ目は教えた選手が世界で通用する選手になってほしい、三つ目が教えた子供が指導者として一流になってほしい、そのような思いがあるんですわ。やっぱりこの三つの目標があれば結構楽しいし、教師というのも結構やりがいがある仕事ですよ。ただ漠然と学校で授業をするだけじゃなくてね。出会いが人を変え、人を育てるんです。子供たちもいろんな人たちとの出会いを求めてほしいね。

――サッカーの指導方法は具体的にどのように学びましたか?
 それはいろんな出会いのもとにいろんな人に話を聞くし、もちろんコーチングスクールに行って外国なんかにも行って勉強するしね。それはもう自分でいろんなことを学ばなければならないし、それが選手のために繋がっていくわけだからね。あとは経験だよね。熟練工と一緒だ。グラウンドにぱっと出ただけでこいつは具合悪いんじゃないかとかね。いろいろと経験することによって、こいつのポジションをちょっと変えてみたりすると、それがずばり当たったりね、なるほどこいつはこのポジション合うんだとか再発見したりするんですよ。

 

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(TEXT、PHOTO=村山裕太)

 

 


 
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