(前のページより)
チームを影から支え、時には精神的支えにもなる。相撲部にとって今や彼女は、欠かせない存在だ。そんな小西さんに“相撲部とは?”という質問をぶつけると、迷うことなく『心のよりどころ』だと応えた。大変なことが多い半面で、大事なことを気づかせてくれた存在。部活はそんなかけがえのないものだからだそうだ。
「私はこれまで、スポーツは勝ってはじめて意味があると考えていたんです。だから相撲部に入るまで、サポートをしている周りのことなんて、気にもかけていなかったんですよ。でも、相撲部のマネージャーになってはじめて気づかされたんです。スポーツは周りの『支え』があってこそ成り立つんだってことに。
もちろん私はマネージャーですので、選手をサポートしています。でも、私がこうして選手をサポートできるのは、私のことを常に支えてくれるOBやコーチがいるからなんですよ。せっかくの日曜を削ってまで、練習を手伝いに来てくれる。そんな人たちの『支え』があるから、私も安心して仕事ができるんです。
スポーツって、いろいろな人の『支え』があるからこそ成り立っているんですよ。このことに気づけたことは、私にとって大きな成長ですね。そして、私を支えてくれるすべての人の優しさを感じられた時は、本当に相撲部に入って良かったなと思います。」
選手を支え、時には支えられ。相撲部の主務・マネージャーとして学生生活を歩み続けてきた。そんな彼女も、今シーズン限りで相撲部を引退。卒業の時を迎える。しかし、卒業後もスポーツの感動には携わり続けたいと話す。
「卒業後は、地元・長崎のテレビ局で働く予定です。そこでは、高校野球の取材をしたいですね。高校野球って地方予選から大変だけど、テレビに映るのは、いつも勝ち抜いた一握りの人たちだけ。でも映らない部分で涙を呑んでいる人や、そんな選手たちを影から支えている裏方たちがいるんです。そこにはたくさんの想いがあり感動がある。テレビには映らない、そんな人たちの想いを伝えることができれば、と考えています。」
裏方として感動を作ってきた彼女は、次のステップへ。その抱負を言葉にのせる。そこには彼女が相撲部として作り上げてきた、スタッフとしての貫禄が感じられた。彼女は今後も、感動を伝え続けてくれることだろう。新たな世界の「役者」として。
|
2/2
|
|