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「エース特集」

競走部 竹澤健介選手インタビュー

前のページより)




 

昨年度の箱根駅伝では3区区間賞で、往路優勝に貢献した。

――ここからは、『エース論』についてお伺いします。周りからは『競走部のエース』と言われていますが、ご自身で『エース』の自覚はありますか?
 エースと言ってもらう事やそう評価してもらえる事はすごく嬉しいですけど、何がエースなのかっていうのが、自分の中であまりないので。やる事は速い選手も遅い選手も一生懸命走る事だと思うので、エースという事に特にこだわりはないです。

――では、エースと言われる事でプレッシャーになったりする事はありませんか?
エースだから、とかじゃなくて、「走らなきゃいけない」っていうのはずっとあります。部に対してどうこうというより、まずしっかり結果出さなきゃっていう気持ちは速かろうと遅かろうと昔からあったので。

――他大学のエースと呼ばれる選手を意識する事は?
 選手としては意識しますけど、エースだからとかは考えた事ないです。負けたくないから走るだけなので。

 

大学最後の駅伝シーズンを、笑顔で締めくくってもらいたい。

――駅伝では箱根駅伝の2区のようにエース区間と言われる区間がありますが、そこにこだわる気持ちとかはありますか?
 自分が走るべきだとは思ってやってます。まぁ一番このコースがしんどいんだろうなっていうコースに対して、そのコースを走るつもりでいればどの区間でも走れる、というのはいつも考えています。役目であるというよりは、自分がしっかり走ってチームに貢献できれば良いと思っているので、自分の仕事をしっかりするという事が一番大切なのかなと思います。

――では、今の竹澤さんに強い影響を与えた先輩などはいますか?
 たくさんいるんですけど、二つ上の先輩には結構影響受けたかもしれません。相川さん(相川誠也、H19スポ卒)とか藤森さん(藤森憲秀、H19スポ卒)とか。大学2年の時のチームは自分がものすごくやりやすかったので。下級生が走りやすい環境を作ってくれたっていう事に僕はすごく感謝してます。現時点ではなかなかできてないんですけど、自分も主将としてそういうチームにしていきたいなと。

――逆に、自分のような選手に育って欲しいと思う選手は?
 僕自身が大した事やっていないので、それこそ“何も言えねぇ”(笑)。良い伝統を引き継いでいってくれたら良いし、悪い部分はどんどん変えていってくれたら良いし。自分たちに合うやり方でやっていってくれれば良いなと思います。

――今後の駅伝シーズンに向けてお伺いします。オリンピック後、疲れは抜けましたか?
 ゆっくりできたので、少し充電できたかなと思います。

――チームの練習に合流はされていますか?
ちょこちょこは合流しているので、まぁ頑張りたいなという所ですね。

――精神面での切り替えはいかがですか?オリンピックで“燃え尽き”のようにはなりませんでしたか?
出場できた事が本当に良かったなというのが先にきて、やりきった充実感は全くなかったです。だけど山を越えたという気持ちはあるので、これから駅伝を重ねる毎に、少しずつ切り替えていければ良いなと思ってます。

――早稲田では最後の駅伝シーズンとなりますが、大切にしたい事はありますか?
エンジのWを大切にしたいなと。

――目標は?
 固定概念に捉われずに、やれるだけやれれば良いかな、それが一番かなと思います。その上で、少しぐらい自分が早稲田にいたっていう足跡を残せるように。

――まだ足跡は残せていないと感じていますか?
 競走部に対しては。オリンピックとか世界陸上とかに出たってのはあるんですけど、競走部に貢献したって意味ではあまりできてないように思うので、この3回でしっかり形にしていけたらと思います。

――周りから見れば、区間賞などで貢献しているように感じますが…。
 どこに基準があって、どこまでできているのかがわからないですし、区間賞と言っても昨年度の箱根に関しては迷惑もかけていたし、他の駅伝も僕が走った事が良い結果に繋がったかって言われたら結構疑問があるので。今年は早稲田に竹澤がいたって事を知ってもらえるような走りができれば良いなと思います。記憶に残るような走りがどういう走りかはわからないですけど、精一杯走って、下級生でも何でも誰かの記憶に残る、こういう先輩がいたっていう風に思ってもらえるような、そんな走りができたら良いなと思います。

――最後に、読者の方へメッセージをお願いします。
 精一杯走るので、温かく見守ってください。


   これまでも何度かウィルウィンのインタビューに応えてくださっている竹澤選手だが、「目標は?」と尋ねると、いつも「一生懸命走るだけです。」という答えが返ってくる。速くても遅くても、エースであってもそうでなくても、やるべき事はただ一つ「一生懸命走る」だけ。肩書きに惑わされる事なく初心を忘れず、常に前進しようとする姿から、一つの『エース』像を見た気がした。エンジのWで竹澤選手が走る姿を見られるのも、あと3回の駅伝だけ。是非その走りに注目し、記憶に残して頂きたい。

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関連URL
早稲田大学競走部ホームページ

 

(TEXT=神崎風子 、PHOTO=田邉里奈、岡崎聡、神崎風子、EDIT=池田恩
 


 
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