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2009年は世界選手権出場を目指し、さらに飛躍する。
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――実美さんというお名前はどなたが付けたのですか?
お父さんです。3月3日に生まれたので実美なんです、単純なんですけど(笑)。漢字は、「実に美しく育つように」という感じで。
――井上選手はどんな性格ですか?
ほんとお喋りですね。人を笑わせることが好きなので、面白いことをやるのも結構好きです。自分がやりたいことにはすごくこだわるし、夢中になるんですけど、あんまり興味がないことには全く手をつけないです。興味があることには、とことん入るんですけど。あんまり興味がないことは、うまくこなして…(笑)。
――集中力を高める秘訣は?
もともと短期集中型なんです。高校のテストとかも、すごい短期でバーッとやってバーッと忘れるタイプで(笑)。集中力っていうのは、多分元からあるもので。あんまり「集中力を付けるために何をしてきた」っていうことはないです。好きなことだし、興味があることだから、(新体操を)「こういう風にやりたい」という気持ちが多分、集中力になってるんだと思います。
――そういう情熱が大切なのですね。
そうですね。すごく影響されやすくて、海外の好きな選手の演技とか見ると、「あぁ…もうこうやりたい!」とかすぐ思っちゃうんですよ。真似から入って、勝手にイメージして自分で踊っちゃう。”なりきり屋さん”ですね(笑)。
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大好きな新体操を語る時の、いきいきとした表情が魅力的。
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――大会で競演する海外の選手からは、やはり大きな影響を受けるのですね。
イオンカップやグランプリなどでは、試合前に世界のトップの選手たちと一緒に練習できるんです。エネルギーをすごく感じるし、そういう場にいれることが嬉しいですね。好きな人の演技って、何をするでもなく、ただ手を出すだけでも「かっこいい!!」って思っちゃうんですよ。魅せよう魅せよう、とするんじゃなくて、うしろ姿の背中から感じさせるんです。そういうので鳥肌が立っちゃう。
――その井上さんの好きな選手とは?
今はもう引退されちゃったんですけど、イリナ・チャシナっていうロシアの選手で、アテネ五輪の銀メダリストです。彼女は演技に全然力みがないんですよ。「余裕」っていう。本当に”抜け”てて、体の芯だけで踊っている感じで、すっごくカッコ良いんですよ。動画とか見てみて下さい!超ニコニコしながらでも、睨むでもなく、素のまんまでやっているというか。からだ全体から出る表情みたいなのが素敵で、大好きです。
――新体操は引退を早い年齢で迎える競技ですが、どう思われますか?
やっぱりあれだけ反ったり、減量して細くなくてはいけないっていうのもあるので、しょうがないかなぁ、と思います。
――井上選手の今後は?
とりあえず今のところ大学4年間と決めているので、あと1年で引退を考えています。来年は集大成だと思うし、やり切りたいです。その後は、ベラルーシの新体操がすごく好きなので、留学して2年くらいコーチの勉強もしてみたいなと思います。やはり新体操からは離れられないと思うので、帰ってきてから日本の新体操の育成に力を注ぎたい、というのはありますね。今年グランプリファイナルの試合でベラルーシのミンスクに行ったんですけど、やっぱり…やっぱり素敵で(一同笑)。新体操バカなんで。もうずっと見てたいですね。
――来年の目標をお願いします。
来年はやはり三重の世界選手権があるので、個人選手として、団体枠を取れるようにしたいと思います。
彼女が憧れるチャシナ選手は、「新体操は身体だけでなく、知性も鍛えなければない」と言ったそうだ。現役選手でありながら、「新体操がもっと楽しくなるような環境を作りたい」と、次の世代を意識して行動する井上選手。彼女を突き動かすのは、「新体操が大好き」という純粋な気持ちだ。自身が「現役最後の年」と話す来シーズンに、世界選手権という檜舞台で大輪の花を咲かせるため、これからも自分との戦いを続けるのだろう。美しい目をキラキラと輝かせながら。
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