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2008年度の競走部の活躍を語る上で欠かせない選手の一人が短距離ブロックの木村慎太郎選手(スポ3)。個人では関東インカレ6位、全日本インカレ5位、日本選手権で3位入賞を果たす一方で、今季圧倒的な力を見せた4継チームの一員としても見事な活躍を見せた。大学陸上界屈指のスプリンターへと成長を遂げ、近い将来の日本代表入りも期待される木村選手に、2008年度を振り返ってもらうとともに、来る2009年度シーズンへの決意や目標、そして将来の展望などについて語って頂いた。





 
木村慎太郎選手プロフィール
  スポーツ科学部3年
  添上高・奈良出身
  自己ベスト 100m:10秒38
200m:21秒16

――まず2008年度を振り返ってみてどんなシーズンでしたか?
 2008年は、先生(礒繁雄監督)にもよく言われてるんですけど、早稲田にはあまり貢献してないなっていう年でした。インカレで良い結果を残せてないんで、後悔が残ったというか、もうちょっと上を狙えたのになっていう感じがします。

――それでも、個人としては日本学生個人選手権での優勝や日本選手権3位など好成績を残しました。個人の結果を見れば良いシーズンだったのでは?
 そうですね。日本選手権の3週間前に個人選手権(毎年平塚で開催)があったので、良い流れで日本選手権に臨めました。でも、毎年平塚で自己ベストを出してるので、みんなから「ミスター平塚」なんて呼ばれていて…(苦笑)。早く違う所でも(記録を)出したいなとは思いますね。

――平塚と相性がいい理由は?
 平塚はサブトラックが学校のグラウンドとかなんで、そんなに条件の良いわけではないんですけど、風がちょうど良かったり、たまたま調子がいい時にその試合があるんだと思います。

――今年度はその個人選手権で10秒38の自己記録をマークしましたが、記録面での満足度は?
 満足はそんなにしてないですね。織田記念で、追い風参考だったんですけど10秒36(+2.4)を出したんで、その後もそれ位は出るかなっていう感じだったんですけど…。それを6月の時点から一度も更新できずに終わっちゃったっていうのが心残りですね。

――2008年度に感じた手ごたえは?
 手応えはそんなになかったですね。インカレではそんなに結果を残せず、リレーでは足引っ張ったりしてたんで。手応えよりは悔しさが大きくて、不完全燃焼なシーズンでした。

――逆に、感じた課題などはありましたか?
 やっぱり、ピークを持ってくるのが苦手なところがあったり、勝たなきゃいけないところで勝てないところがありまして。全カレの前も、8月に地元の記録会で久しぶりに200mで自己ベストが出て、その前の合宿明けの頃もかなり良い手応えがあって「インカレいけるな」と思ったんですけど、その途端に怪我しちゃって…。(自分は)まだまだだなと思いました。

――インカレを含め、リレーへの思い入れは今年特に強かったと思うのですが。
  前の年が日本選手権リレーの連覇を途切れさせてしまったり不甲斐ない結果だったんで、今年は「一からのスタート」に相応しいものを出せるようにとずっと考えていました。その点では、日本選手権リレーでも38秒台を出して勝ったんで良かったと思います。

――優勝した関カレ、全カレ、日本選手権リレーの中で特に印象的なレースは?
  日本選手権リレーの優勝ももちろん良いんですけど、全カレの決勝ですかね。全カレの時、僕2週間前に怪我してバトン練習もそんなに参加できてなくて。そんな状況でも「決勝はお前で行く」と使ってもらえたんですね。それなのに僕が1、2走のバトンを止めちゃって、上手く渡らなくて。それでも、他の3人の頑張りで勝たせてもらったっていうのがすごく大きかったです。


 

   今年の冬季練習は、自分の体の調子を見極めながら 例年以上に慎重に取り組んでいるという。

――普段は1走を務めることが多い中、日本選手権リレーでは2走を任されました。走順に対してこだわりや思い入れは?
 走順はそんなにこだわりはなくて、任されたところを走れればいいと思います。どこでも走れたらいいんですけど、やっぱりちょっと1走としても力不足なところもあって。江里口(匡史、スポ2)の日本代表を意識した1走っていうのもあって、2走に回らしてもらったんですけど、それでも直線を走るっていうのは結構楽しかったです。2走はやっぱり…気持ちいいです。

――2009年度の4継チームはいかがですか?
 (走順に)特別な固定はないんですけど、記録を狙うんだったら昨年の形で3走に誰が入るかだと思います。自分もどこを任されても行けるように準備はしようと思います。

――2008年度は木村選手を含め早稲田短距離陣が大活躍でしたが、その要因は?
 日体大とか大きいところに比べたら早稲田は全然人数が少ないんですけど、少ないからこそ共通の意識をもってできるんじゃないかっていうのもありますし、(チームの代表として)インカレに出れたら入賞できるっていうところまで来ているんで、仲間内でライバル意識が生まれてるかなという感じですね。

――同じく大活躍だった木原(博、スポ3)選手や江里口選手の存在は刺激になりますか?
 そうですね。江里口は今の段階ではちょっと飛び抜けてますけど、木原と僕と3人で練習中も競ったりしてるんで、いい練習が出来てると思います。

――特に、2008年は同期の木原選手が一気に記録を伸ばしましたね。
 一緒に走る時以外は、「おっ、すげえな」っていう部分もありました。春の記録会で自己ベストを出してそのまま関カレで更に自己ベストみたいな感じで、結構勢いがあったんで。ずっと伸び悩んでいた部分もあったんで、ようやく伸びたところを見て嬉しかったんですけど、関カレで負けちゃったんで悔しかったですね。近い存在ですし、仲も特に良いんで負けたくはないです。

――短距離ブロックは、学年関係なく特に仲が良い印象があります。
 ブロック間の隔たりとかもほとんどなくて、練習中も一緒にセット走とかやったりとかもしてるんで楽しいです。

――以前、栗崎康介選手(スポ2)に取材した時に、栗崎選手が「木村さんにお世話になってます」と話していましたが。
  引き続いて、お世話になってます(笑)。結構一緒にいる時間は長いと思います。寮にいて暇な時は大体栗崎の部屋で遊んだりしてますね。何でもあるんですよ、あの部屋。パソコンもなんか大きめのパソコンなんで、栗崎のいない時に勝手に入ってパソコンを借りてて、その後栗崎が来て「なんか居るー」みたいなこと言われたり(笑)。

 

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(TEXT、PHOTO=岡崎聡)

 

 


 
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