WasedaWillWin.com
 
2008年度早稲田スポーツ総括 

競走部 木村慎太郎選手インタビュー

前のページより)




 

リレーでは1走を走ることが多い木村選手だが、
コーナーより直線の方が得意だそうだ。

――2009年度短距離ブロック長を務めることになりましたが、心境の変化などは?
 そんなにブロック長になったからとかっていう意識はないんですけど、やっぱり引っ張っていく立場なんで。主将は飯田(将之、スポ3)で、他に各ブロック長はいるんですけど、その各代表だけでなくて全員で引っ張って行こうという意識が強いですね。練習も木原が引っ張ったりとかしてるんで、特に自分だけが頑張らなきゃいけないっていうわけじゃなくて、みんなで頑張ろうっていう感じです。

――新4年生はどんな学年ですか?
 個性は強いですね、みんな。飲み会とかしてもパァーっといっちゃう感じなんで(笑)、見ていて楽しいです。飯田とか全体で盛り上げてる中、僕は後ろの方でニコニコしてます。

――ブロック長の立場から見て、2009年度に期待している選手はいますか?
 久保田(裕是、スポ1)とか小原(真悟、スポ2)とか栗崎とか、4継メンバーのもう一人っていう位置付けの人達が一杯いるんですよ。その人達の力が上がることによって、僕ら三人も今のままじゃいけないなっていう気持ちになって上がっていければと思います。

――力のある新入生も入ってきますね。
 一年目はのんびりやってほしいですね。僕が一年目は全然ダメだったんで。ガッツリやらなきゃいけないと思って調整がうまくいかなかったり、色々結構悩む時期だと思うんで、慣れることが大切だと思います。

――木村選手にとって、2009年はどんな年にしたいですか?
 「日本代表になりたい」です。世界大会に出たことがないので、競技をやっている以上は出たいので、代表になって世界のレベルとか色々なものを感じられたらと思います。

――世界の経験といえば、昨年学連のヨーロッパ遠征に参加されましたが。
 あの経験はかなり強烈でしたね。飛行機で11時間とか何してればいいんだって感じでした。座席の前に小さいテレビがあるじゃないですか。僕のだけ壊れてたんですよ…。本当やることなくてずっと寝てました(笑)。あと記録会に出たんですけど、競技場が森の中だったりとか、観客がめっちゃ近いとか、日本では考えられない感じの競技場がいっぱいあったんで、どういう所でも結果を出すのは難しいなって感じましたね。

――日本代表や世界への意識はいつ頃から芽生えましたか?
 昨年の終り頃に浜松中日カーニバルがあったんですけど、その時風邪をひいて全然走れなかったんですね。自分で「何やってんだ」っていう感じだったんですけど、そこでただ試合に出てるだけじゃダメだなって思うようになって。それに他のみんながユニバー候補だっていうのを聞いて、自分も世界を意識してやるようになりました。

――現在の日本代表の印象やイメージは?
 先日、陸連の合宿に参加させてもらったんですけど、4継もマイルもその他の人たちもみんな仲が良いなっていう印象ですね。その中でしっかり意識も高い状況で練習してたんで、凄いなって思いました。そんな中自分は、人見知り全開な感じでした…。対人恐怖症かっていう位ヤバかったですね。人見知りな部分を早く直したいです…。

――日本のトップレベルの選手と走ったり練習したりして感じることは?
 OBの小島茂之(アシックス)さんがちょくちょく練習に来て下さるんですけど、やっぱり「生活がかかっている必死さ」っていうのが伝わってきて、学生にはないものがあるなっていうのを感じます。日本代表の人達からも同じことを感じたので、今後見習っていかなきゃと思いました。

 日本短距離界を背負う活躍が期待される木村選手。
高い志を胸に、大学生としてのラストイヤーに臨む。

――日本代表は今世代交代の時期に来ていると思いますが。
 朝原(宣治、大阪ガス)さんが引退して、末續(慎吾、ミズノ)さんも今休養中なんで、代表のリレーメンバーがちょっと力が落ちるみたいなことも言われてるので、自分がしっかり記録を出して入りたいなっていう気持ちはあります。

――陸上競技をずっとやってきて憧れの選手はいましたか?
 3つ上の相川(誠也、平19スポ卒)さんです。僕が中3の時に相川さんがインターハイで優勝したのをテレビで見ていてカッコいいなと思ってから、それがずっと頭に残っていて。それで大学を選ぶ時にどこがいいかなって思った時に、相川さんのいる早稲田に行きたいなって思いました。

――卒業後も競技は続ける予定は?
 一応競技は続けたいなと思っているので、それに向けてこれからの試合の結果が自分の就活みたいな感じになると思います。

――来シーズンの具体的な目標は?
 目標は10秒2台を出して、日本代表として世界で戦うことです。(自分の)位置的にもタイミング的にも不可能ではないと思うんですよね。なので、チャンスをしっかりものにしたいなと思います。

――競技を続けていく上で、将来的にはどんな選手になりたいですか?
 やっぱり毎回日本代表に選ばれるような選手ですね。高い意識をずっと持ってやっていきたいです。

――では最後に、2009年度に向けた意気込みをお願いします。
 今年はインカレで総合優勝を狙っていきます。先生を胴上げしようっていうのをみんなで考えてるんで、それに大きく貢献できればなと思っています。


 個人種目、リレー競技の両方で見事な成績を残し一見充実したシーズンに思えた2008年を、チームにあまり貢献できなかったことを理由に「不完全燃焼」の1年と言い切る木村選手。それは、入学以来主力選手として「名門ワセダ」の看板を背負いながら走り続けてきた木村選手らしい言葉に思えた。
そんな木村選手にとって、2009年はまさに勝負の年。学生として挑む最後のインカレはもちろん、ユニバーシアードや世界選手権など、競技者として真価を発揮するに相応しい舞台が数多く用意されている。「ワセダ」の木村から「日本」の木村へ。抜群のスタートダッシュを武器に、「世界」という新たなステージへの扉を切り開いてほしい。

2/2

 

(TEXT=、PHOTO=岡崎聡)
 


 
WasedaWillWin.com HOMEへもどる