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[2008年度早稲田スポーツ総括] 卓球部

卓球部 2008年度総括&2009年度展望 男子部


 今年度は、残された世代にとって、プレッシャーを背負いながら真価を問われたシーズンだったとも言える。2008年3月には、下山隆敬(平20社卒、現協和発酵キリン)、時吉佑一(平20スポ卒、現グランプリ大阪)、久保田隆三(平20卒、現シチズン)の“黄金トリオ”を実業団へ送り出した。しかし蓋を開けてみれば、春季関東学生リーグ戦にて、創部来の歴史を塗り替える1部でのアベック優勝。全日本大学対抗選手権(以下、インカレ)こそ男女共に2回戦敗退となったが、秋季リーグ戦では女子は再び優勝、男子は準優勝。3人の穴を全く感じさせずに、新風を吹かせた。

男子部

 笠原弘光(スポ1)は、春季リーグにて4つの賞を総舐めした。

 特筆すべきは、下級生たちの活躍である。笠原弘光(スポ1)は、1年目にして春秋のリーグ戦を通して14戦13勝の快挙を成し遂げる。唯一の黒星は、秋季リーグ戦で、王座を譲った明治大戦。07年度の全日本選手権チャンピオンで北京五輪代表の水谷隼(1年)に1-3で屈したが、幼少期から対戦を重ねてきたスーパールーキー達の死闘は、観客を大いに沸かせた。笠原は「どんなプレーでもソツなくこなす」技術力の高さから、若い選手ながら守りに入るプレースタイルと評されることもあった。しかし全日本選手権では、張(東京アート)に対して積極的に攻め込み4-1で下す。更には、2月にスウェーデンで行われたサフィール国際大会にてシングルス部門で優勝した。2年目のシーズン、強豪に揉まれて得た経験値をどう長所に絡めて発揮してくるかが楽しみだ。笠原と共に新人トリオとして注目されたカットマン・御内健太郎(スポ1)、高岡諒太郎(スポ1)の活躍も団体戦においての鍵となるだろう。
 

 4月より活躍の舞台を実業団へと移す塩野真人(スポ4)前主将。

 2008年度の主将を務め、チームの精神的支えともなった塩野真人(スポ4)。学生卓球界でナンバーワンのカットマンとの呼び声も高く、5月に横浜で行われたプロツアー・荻村杯では、世界の強豪を退けて予選を突破した。トーナメント1回戦で世界ランク2位の馬琳(中国)に敗れるも、その存在感を顕わにする。しかし8月のインカレでは日本大に単複とも敗れ、「全く調子がでていないというか、勝てないシーズン」もあった。最後の出場となる10月の全日本学生選手権(以下、全日学)、全日本学生選抜(以下、全日学選抜)ではベスト8に終わり、全日本選手権では4回戦にて時吉に敗れた。また、内定していた名門・日産の卓球部が2月に休部。共に入部が決定していた、世界選手権代表の大矢(青森大)、リーグ戦などで切磋琢磨してきた水野(明治大)らと、北京五輪日本代表の韓陽らが所属する、日本リーグ1部所属の東京アートへの移籍を決めた。決して平坦ではない1年だったが、主将としてチームの運営や自身のスランプに苦悩し乗り越えた経験は、彼の内面を大きく成長させたようだ。日本卓球界の逸材である彼の、新境地に期待したい。



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(TEXT=田辺里奈、PHOTO=横山真弓)


 


 
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