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あの人に逢いたい 〜早稲田スポーツOB・OG訪問〜 

シブヤ大学学長 左京泰明さん

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一言一言しっかりとした口調で語ってくださった

 2006年に始まったシブヤ大学は、いまでは12000人もの参加者がいる。現在は京都、名古屋などにも姉妹校があり、その勢いはとどまることを知らない。しかし、そんなシブヤ大学にも課題はある、と左京さんは言う。

 「今、授業の数が足りていないんです。参加してくださる生徒さんの数に比べて、こちら側の供給が追いついていない状態なんですよね。子供さんから大人までの多くの生徒さんたちは、僕たちの企画する授業に期待してくれている。だからこそ、質の高い授業やサービスを提供することが、今の課題なんです」

 渋谷の街に当たり前のようにある。そんな学びのシステムに、シブヤ大学を育てていきたい。左京さんの夢は広がる。

 「渋谷の町に移り住んだ人にとって、『この街にはこういう仕組みがあるんだ』と、あたりまえのように感じられるように僕はしたいんです。シブヤ大学が、ここ渋谷の街の目に見えないインフラになるといいなと思っています。そして、この取り組みが全国様々な地域に広がってゆく。そんな状態を目指したいですね」

 NPOという世界に、身を置く左京泰明さん。それは新たな分野だけに、調整が困難な仕事も多い。しかし、そんな中を一歩一歩み続けられるのは、今でもラグビーでの教えが活きているからだと語る。

 「僕がラグビー部に入学した時、まず教えられたのが『ラグビーとは修養である』という言葉でした。修養とは、自らの知識を高め品性を磨くことで、自らを高めていくということ。この言葉の持つ意味を僕は4年間の大学生活で実感することができたんです。厳しい練習を積むことで身体も心も成長してゆく。入部当初はわからなかったけれど、ラグビーを続けることで、その大切さがわかったんですよ。

 仕事もこれと同じだと思うんです。生徒さんたちや社会のためになればと毎日仕事をしていますが、そこで学んだことは結果的に自分のためにもなると僕は思う。自分を磨き高めるために仕事がある。そういうものだと僕は思いますね」

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(TEXT=鈴木雄介、PHOTO=小垣卓馬・池田恩)
 


 
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