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特別対談
早稲田大学野球部 土生翔平主将×濱潤哉学生コーチ


仕上がりは順調!
関東一部リーグ優勝は目前!

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悔しい思いを抱きながらも、立ち止まっている時間はなかった。

――いま、神宮に行きたくなかったというお話もでましたが、野球と向き合うのがしばらく嫌だなとは思わなかったですか
土生: 野球に向き合いたくないっていうか、一回やっぱり、リセットしたいって気持ちもあったんですけど、そんな暇もないなって気持ちもありましたね。もう秋に向けて始まってますし、いまのままじゃ絶対まだ打てないっていうのが自分も分かってますし、ほんと変わるっていうか、何かを変えないといけないって自分も思ってたんで。変えるには時間も必要だと思うんで、それを無駄にしないようにどうしたらいいのかなとか考えたりはしてました。

――濱コーチは切り替えざるを得なくて、神宮にも行かざるを得ない状況だったと思いますが、野球に向き合うのが嫌だとは
濱:
正直、なんかもう投げだしたいなと思った気持ちもあるんですけど、そういうことやっぱ出来ない状況なんでもうやるしかない感じでしたね。

――リーグ戦後のオフはどれぐらいあったんですか
土生: 3、4年生は5日間で、1、2年生は新人戦が雨でながれて、延びたりしたんで1日しかなかったですね。

――5日間、土生主将はどのように過ごされていましたか
土生: 自分は授業あったら授業行ったり、免許とりに教習所行ったりで、とりあえず、普通に生活してました。でも、その中でも鈍らないようにと思って体も動かしてたりはしてました。
濱:
練習してたね。

――気持ちの整理はされましたか
土生: そうですね、忘れてはいけないと思うんですけど、もうそれは切り替えて、悔しさ忘れずに弱った気持ちは切り替えて「今度こそみとけよ」っていう気持ちで練習からやるしかないなって思って。練習から一つずつ見直していかなければいけないなっていうのは思ってました。

――濱コーチはオフが1日だったと思うんですが、どのように過ごされてましたか。その1日だけは仕事から離れられましたか
濱:
でも、次の日がミーティングだったと思うので、それに向けて資料とかいろいろ準備したのと、まあ寮にいましたね(笑)

――気持ちの整理をする時間も短かったと思いますが、それは大丈夫でしたか
濱:
リーグ戦の最中から優勝がなくなって、秋に向けてどうしていこうかなっていうのをちょこちょこ考え出してはいたんで、そんなに苦にはならなかったですけど、やっぱり土生と一緒で、練習の中で意識の面でまだまだ足りない部分があったなっていうのが一番感じて。いまそれに取り組んでいるところです。

――部活から離れたプライベートなところでチームの話をされることはありますか
土生: そうですね、自分は大野(健介)と自分と(松本)歩己と3人で飯食べにいって、その時に、そういうリーグ戦を振り返って、チームとしてこうしたほうがよかったとか軽い感じの話はしましたね。
濱:
自分は新チーム始まる前に、プライベートっていうか、自主錬が終わった延長で羽鳥(達郎)と2人でソファーに座って、3時間くらい、あっという間だったんですけど、べらべらべらべらチームの事をしゃべって。自分の見えてない部分も羽鳥がいろいろ言ってくれたんで、参考になる部分もいっぱいありましたね。


 

広陵高校時代も主将を務めた土生選手。やはり自分の考えを言葉で伝えるキャプテンとしての気質が備わっているようだ。

――お二人はご自身の想いを誰かと語り合いたいタイプか内に秘めておきたいタイプかどちらですか
土生: そうですね・・野球に関してですよね・・どうかな?いやでも、自分は秘め・・
濱:
言うタイプじゃない、結構(笑)
土生: 言うか・・じゃあ、言うで(笑)
濱:
いままでのキャプテンとか見てると、そんなに言わなかったけど、土生はどっちかというと結構チームを見てて、なんかまずいことがあったらこうしようとか、やっぱり率先して言うのは土生かなと。

――逆に土生主将から見られていて、濱コーチはいかがですか
土生: やっぱり、言いたい事を全て言ってないなとは思いますね。秘めてる部分もあるっていう風には感じます。言うべきなんだろうなと思いつつも、我慢してるなっていうのは自分は感じてる部分はありますけど、そこを言われる前に自分らがやらないといけないと思いますし、やってないやつがいれば自分がやらせないといけないなっていう風には思います。

――濱コーチ、ご自身ではどうですか
濱:まあ、なんだろうな・・なんていうだろう、結構しゃべること苦手なんで。にも関わらず、学生コーチなんですけど(笑)
土生: でも、あってるちゃあってる?
濱:
まあ、あってるちゃあってるんだけど・・いろいろ見てるからね、思う事はあるけど・・

――それを内に秘めつつ?
濱:そうですね(笑)
土生: まあ、言わないといけない立場なんで、難しいですほんと。一番、濱の立場が難しいと思います。やっぱ、下に言うのは簡単ですけど、仲のいい4年生に対してとかでも、こうしろああしろって言うと、どうしても向こうからしたら嫌っていうか良い気持ちじゃなくて、コーチっていうのは嫌われてなんぼってよく言われますし、自分自身もやっぱ嫌われるぐらいやらないといけないと思いますし、そういう立場にいて、やっぱり濱はきつい立場だなというのは思いますね。

――きつい立場だということですが、濱コーチの一番の相談相手は
濱:
チームのことで相談は選手にはできないと思ってるんで、ただ土生にこうこうこうやってよっていう時はありますけど、同じコーチの森本(靖大)であったり、仲間(一茂)であったり、中野脩祥であったり、まあ大体コーチ陣で話して、やってますね。

――土生主将は一番の相談相手はどなたですか
土生: 相談ですか、そうですね・・相談・・個人的なことは相談しますけど、チーム的なことは・・でも、まあ、濱に聞くかな?(笑)そんなに聞かない気がする。
濱:
聞いてないね(笑)
土生: でも、自分は聞かずに、自分がこうと思ったらもうやる。相談とかしないかなと思うんです。
濱:
だって結構言ってるよね、その時に。
土生: いや、でも俺も結構、実際我慢してる部分もあるけどね。

――レギュラー以外の選手もいらっしゃると思いますが、その選手から何か思いを伝えられるということはないですか
濱:
全体練習は大体メンバーしぼってやってるんで、その時にできなかった選手が全体練習が終わった後の自主練習でやってるんですけど、そういった選手見ながら、言葉じゃないですけど、姿勢でなんか伝わるものがありますね。やっぱり、「でたい」、「神宮立ちたい」って気持ちが伝わってくるものがあるんで。コーチにアピールして来る、そういうのは感じますね。

――そのような選手もいる中で、神宮に立たれている土生主将は選手としてどんな事を感じていますか
土生: ほんと、ひとつひとつのプレーを代表としてやってるので、早稲田大学野球部っていう名に恥じないようなプレーはしっかりしないといけないなと思います。


 

秋のリーグ戦ではどんな状況でも下を向かない早大ベンチに注目だ。

――4年生全体のカラーは?
土生: 自分は悪く言えば、"調子が良い"で、よく言えば、"明るい"、"チームワークが良い"だと思うんですけど、その"調子が良い"のは、例えば試合とか練習とかでも盛り上がる時は盛り上がるんですけど、やっぱり点取られた時とか沈む時に、一気にがたーんって。守ってっても「ベンチ放心状態やな」って分かるんですよ(笑)ライトからサードベンチを見ると。みんなピクリとも動かないですよ。なんで、そういうところが、ずるずるいってしまうところだと思うんで、そこをどうにか直さないといけないなと思います。

 

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(TEXT=平尾実夏、PHOTO=磯綾乃)

 


 
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