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	前へ前へという積極的な走りを活かして、今後さらに早稲田に勢いをもたらす存在となってくれるだろう。

――早稲田大学に入りたいと思った理由などありますか？
　やっぱり箱根駅伝でも優勝を狙っているような強い駅伝チームっていうのもあるんですけど、竹澤(健介･現ヱスビー食品)選手であったり瀬古さんや渡辺監督などの世界で戦うトップアスリートの先輩方がいたっていうのが自分の中では非常に大きかったです。あとやっぱり早稲田大学っていうのは昔からすごく憧れていた大学だったので行きたいっていう気持ちは強かったです。

――それはいつごろから？
　小学生だったり中学生くらいからはもう。

――その念願が叶った時の気持ちはどうでしたか？
　まあでもそんなに入ることだけが目標じゃなかったですし、入ってからもすぐに切り替えてしっかりやっていかないといけないので、喜んでいる場合じゃないかなっていうのは感じてました。

――実際に早稲田のユニフォームを着てレースに出た時の気持ちはどうでしたか？
　嬉しかったっていうのもありましたけど、やっぱりエンジの重みっていうのは非常に感じましたし、これが早稲田大学なんだっていうのはすごく実感しましたね。

――山本選手が陸上を始めたのはいつですか？
　小学校6年生の時です。

――そのきっかけは？
　小学校2、3年生の頃も少し陸上教室に通ってたことはあったんですけど、自分は最初はサッカーやっていました。でも小学校6年生の時に市内大会で1000mに出て優勝したことがきっかけで、地元のクラブの方に勧められて。それが陸上との出会いって感じですね。

――陸上をやめたいと思ったことはありますか？
　はい、それはもちろん何度もあります(笑)。

――それはどういう時に？
　そうですね、やっぱり記録に伸び悩んできた時とか…。一番怖いのは、何か自分が目標にしてたことを手にした時ですよね。やっぱりもう限界を感じてしまうっていうか…。でも自分は仲間がたくさんいたので、どんどん陸上やりたいなって気持ちは高まっていきましたし、乗り越えられましたね。

陸上を楽しむことがモットーという山本選手。その陸上に対する姿勢が強さにつながっているのだろうか。

――今まで陸上の練習をやってきた中で一番きつかった、つらかった練習は？
　そうですね、中学校1年生の時がすごく走らされていたので、今の記憶の中では中学1年生の頃が一番きつかったかなって思います。それからはもう陸上が楽しくなってきているのでつらいってことを感じたことはあまりなかったですね。どんな練習でも楽しくやろうっていうのが自分にとってのモットーだったので。楽しくやってました。

――今でも練習で大切にしていることは「楽しくやろう」ということですか？
　そうですね。とにかくもう陸上を楽しむっていうことは強く考えています。勝負にこだわったりとかそういうことはあんまり考えていないですね。

――夏合宿はとても充実していたということでしたが、どのような練習を？
　やっぱり夏は距離を踏むっていうことが特に重視されていたので、しっかりスタミナをつけるっていうことを中心にやっていました。

――故障などはありませんでしたか？
　そうですね、大学に入ってからはまだ一度もないですね。

――普段から故障などは少ないほうですか？
　あまりしたことないですね。高校1年生のときに一回ちょっと大きなケガはしたんですけど…まあ大きいって言っても中ぐらいのケガなんですけが。それ以降はもうやっぱり気をつけて練習してきてますので、そんなに故障はしたことないですね。

――故障しないように具体的に何かしていることはありますか？
　そうですね、違和感を感じたらすぐに切り上げてやめるっていうことだけは気をつけてます。

――では、ここからは全日本大学駅伝について伺います。試合を目前に控えた現在の心境は？(取材を行ったのは10月26日)
　そうですね、やっぱりうちは出雲で負けてしまってもうチャンピオンではないので、次は挑戦者っていうことでしっかり優勝を狙っていきたいなっていうのは思ってます。

――ご自身の現在の調子はどうですか？
　かなり万全だと思います。

――監督から何区を走るということは伝えられていますか？
　そうですね、はい大体。

――どの選手も個人的に伝えられているのですか？
　そうですね、もう大体監督が決めてる選手は何人か声を掛けてると思います。

――全日本はスタートが愛知県ですし、山本選手の地元ということになりますね？
　やっぱり地元っていうのはかなり大きなものがあります。優勝することはもちろんなんですけど、地元の応援にもしっかり応えたいなっていうのは強く感じてます。

――現在の早稲田のチーム状況は？
　出雲前で少し出遅れていたところはあったんですけど、やっぱり出雲後からは気持ちが切り替わってかなり意識も高まってきているので、しっかり優勝を狙えるチームになってきていると感じます。特に先輩方からは練習でもかなり強い意志がみえてくるなっていうのは感じました。

――山本選手からみて早稲田の中で好調な選手は？
　やっぱり大迫選手ですね。本来の走りさえすれば誰にも負けないと思います。

――全日本で意識するライバル校というのは？
　やっぱり東洋大学、駒澤大学ですね。

――他大学で注目している選手はいますか？
　そうですね、駒澤大学の窪田選手や油布選手であったり、東洋大学の設楽選手や東海大学の元村選手、あとは駒澤の村山君など一年生あたりも強いですよね。やっぱり若手っていうのはすごく勢いがあると思いますので、同じように勢いで負けないようにしたいなっていうのはあります。

――やはり現二年の世代をライバルとして意識しますか？
　そうですね。高校時代もその世代と戦ってきてるので、同じように戦いたいですね。

――では全日本での個人としての目標は？
　やっぱりもう甘いこと言っていられる状況じゃないので、区間上位を取れるような走りでしっかりつないで、優勝に貢献したいなという気持ちです。

――ではチームとしての目標をお願いします。
　そうですね、みんな調子は上がってきているので一人ひとりがしっかり全力を出して、優勝することですね。

――では最後にファンの方へメッセージをお願いします。
　やっぱりこれからも陸上っていうものを楽しんでいきたいなあと思っていますし、駅伝も優勝目指して頑張っていきたいので、応援して頂ければなと思います。

　質問に対して、即座に自分の考えをまとめ答えてくれた山本選手。頭の回転が速く、非常にしっかりとした印象を受けました。そして、浪人時代には自分で組み立てたメニューでトレーニングし好記録を出したり、今までの競技人生でほとんど故障をしたことはないといったことから、高いレベルで自己管理のできる選手であることを伺い知ることができました。出雲駅伝では、大学で初の駅伝ながらしっかりと走りきり、その存在感を見せつけた山本選手は、今後の全日本・箱根でもさらに周囲の注目を集めるような、早稲田の主軸としての活躍を見せてくれるでしょう。

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