――それでは最後に箱根に向けての質問を。現在、箱根駅伝に向けてどのような仕事をしていらっしゃいますか？
五十川：各中継所ごとに担当があるので、自分の中継所の仕事をやったり、印刷の仕事であったり、それから資器材っていって、道路に並べるコーンを借りたりっていう仕事があったりします。
稲毛： 私は本当に直前に合流するので、事前の準備にはあんまり携われないですね。
ウィルウィン：駅伝当日は
稲毛：
当日はスタートフィニッシュ地点を担当してるので、その運営をやってます。
大﨑：自分は学連選抜チームのマネージャーをしてるんで、今は学連とチームのマネージャーとして立たされているんですけど、実際本選では今度は早稲田っていうチームと学連選抜っていうチームの間にも立たされることになるんで、心境はすごい複雑なんですけど、でも予選会を通過できなかった学校から記録で16名選んで、元のチームはそれぞれ違うんですけど、その選手たちが一つのチームを作って当日走るためのお手伝いを今やっていますね。今はほとんどそこに時間が割かれてるので、駅伝当日も中継所にはいなくて、チームのマネージャーとしてやっています。
ウィルウィン：ちなみに、学連選抜チームで一押しの選手は？
稲毛： 佐藤！(佐藤佑輔=日大3年)
大﨑：ああ～そうですね。強い…。この前金土日で合宿に行ってきて、その時に…。いや、でも色んな選手に思い入れがあるので…
五十川：一人には決められない？
稲毛： 決めてよ～(笑)
大﨑：うーん…全員で！(笑)
――入部する前と後での箱根駅伝への見方に変化はありましたか？みなさんにとっての箱根駅伝とは
稲毛：
入部する前は、国民的行事みたいな。それで観戦するものだったんですけど、今は主催運営するものであり、自分のチームがそこで戦ってもいるので、なんか複雑ですけど、難しいですね…。主催であり、参加者でもある感覚。
ウィルウィン：昨年度、早稲田が優勝した時はどのような思いで見ていましたか？
稲毛： 私はフィニッシュにいたので、すぐそこでみんな一列に並んで校歌歌いながら待つじゃないですか。もう「私もあそこに行きたい！」ってちょっと思いましたね(笑)。でも学連のウエア着ている限りはなかなか、何より仕事を全うすることが第一なので。中立な立場でいながらも、目だけはあっち見てるみたいな。でも本当に嬉しかったです。
五十川：かなり身近になったっていうのはありますし、元々入る前から早稲田が好きだったんで。チームとして応援している人も多いと思うんですけど、今は選手一人一人の名前とかも分かるので、更に思い入れが強くなったというか。でも学連としては早稲田だけじゃなくて他のチームもいるので、そこはなんとも言えない感じですけど(笑)
大﨑：自分は今までファンとして見てきて、これから初めて主催者側として迎えるので、まだ変化はあんまり感じられてないんですけど、ただ、自分は出身が福岡なんで、ほんとに遠くてただテレビの中だけで行われていた箱根駅伝が、関わってからは実際の裏側がいい意味でも悪い意味でも見えて、「こんなにすごい大会なんだ」っていう。ほんとにその重み、箱根駅伝っていう重みをすごく感じてて、それに懸ける選手や大学の思いっていうのがすごい感じられるというか。難しいです、上手く言えない…。
――では前哨戦の出雲・全日本大学駅伝での早稲田の3位という結果については
稲毛： 「きっついな～今年」って思いました。両方現地に行ってたんですけど、それを見てきついな～というか…
大﨑：でもそれはありますけどね。
稲毛： うーん…。難しい。何とも言えないかなあ…。悔しいのは悔しいですね。
大﨑：昨年勝ってる部分があって、それをファンとして見てて、実際じゃあ今年もそういった期待がかかってる中で選手も本当に頑張ってて、でも結果を見た時に3位3位で。そういう現実を見せられて、東洋・駒澤の2校があまりにも強いっていうのがありましたし、あんだけ頑張ってるのにそこが報われてないっていうがあったんで、ほんとにもっと応援しようっていうのはありましたね。
五十川：私は…テレビで見てて、どちらかと言うと「どう運営してるか」とか、「どこにバナー出してるんだろう」とか「ここ絶対テレビ局と打ち合わせしてるな」とか
稲毛・大﨑：なるほど(笑)
五十川：どちらかと言うとそっちにもう目が行くというか。
ウィルウィン：もう立派な運営者ですね！
五十川：そこでテレビはどう映ってるんだろうっていうのもあるし、興味深いところ…。
大﨑：素直に大会見れないですよね。ただ選手が走ってて、記録を見て「わー！」とかだけじゃなくて。
五十川：色んなとこを見て、「どこか盗めるところないかな～」とか。
――みなさんお忙しい中、グラウンドに顔を出すのは大変だとは思うのですが、今のチーム状況は分かりますか？
稲毛： 正直ねえ…いや、迂闊な事言えないし、その表面的な部分では言えないし…。でもみんな頑張ってる…。頑張ってるって一言では表せないですけど、でも本当に全てを懸けてて、一年の集大成…。出雲、全日本と経験してきた中でも4年生にとっても一番最後の大会なので、懸けてるものは大きいとは思います。
五十川：(グラウンドから)離れると本当に分かんなくなってきて。昨年いた時は「なんか取材がたくさんくるな」とか(笑)
――昨年はマスコミ対応大変そうでしたよね。では特に注目してる、思い入れのある長距離グループの選手は？
稲毛： みんな頑張ってほしいですし、誰が走ってくれても楽しみだなとは思ってるんですけど、やっぱり4年生は最後なので、頑張ってもらいたいなっていうのはありますけどね。走ってくれるといいなって。
大﨑：自分は1年に修平(山本=スポ1)っていう存在がいて、1年生なのにやっぱあんだけ結果を出してるんで本当すごいなって思います。でも「この選手に」っていう思い入れはあんまりなくて、チームとして結果を出すために個人個人がやればちゃんと結果はついてくると思うので、修平が一番近い存在っていうのがあるくらいで、特別な思いはないですね。
――サポートする側として、箱根駅伝への意気込みを
稲毛： そうですね…。ほんとに早稲田だけじゃなくて、どこの大学の選手もほんとにみんな全部を懸けて向かってくる大会なので、こちらも全力でそれを迎えたいなっていう思いはあって。あとは4年間の集大成でもあるので、これを成功させたいなっていう思いと、もう一つはやっぱり早稲田の優勝を見たいですね。
五十川：すごい…。この後に言うのか(笑)。とにかく、色々学ぶ。来年は3年生になって引っ張っていかなきゃならないので、もっとより良いものにできるように今年は最大限に吸収していくって事かな。中継所で学べた事がどれだけ早稲田のチームにどう還元されていくのかは分からないですけど、でも何かしらはあると思うので。学連で学べる事を最大限学んでいきたいです。
大﨑：この箱根駅伝で…、あの、これ、ウィルウィンの取材なんですけど、やっぱり学連選抜チームに今はすごく思い入れがあるんで、「いい成績を残してくれたらな」っていうのがあるんですけど、実際各大学の選手や大学が一丸となって必死にやってる中、自分たちが少しでも手を抜いたり、妥協したら選手に失礼だなってすごく思うので、全力でやりたいな、と。自分ができる事を全てやって、その運営をやる中で早稲田に少しでもプラスになるとは立場上言えないんですけど、でもそういう形で何かプラスになって、結果がついてきたら本当にそれはいいなとは思います。
――最後にこの対談を読んでいる方へメッセージをお願いします。
稲毛：
えーと、1月2日3日は、ぜひ！あ、でもどっちがいいのかな…？テレビで見てくれた方がいいのかな？テレビで見るか、沿道…芦ノ湖でも大手町でもお待ちしています！(笑)
大﨑：「プログラムを買って」って言わなくていいですか？
稲毛： …買ってください(笑)。あとはなにかな…。まあお楽しみにみたいな。
五十川：協力してくれてる補助員の人とか、学連員もですけど、選手も含めて大会全体を見てほしいなと思います。
大﨑：うわあ…ここで「学連選抜お願いします」とか絶対言えない(笑)
稲毛： いいと思うよ！
大﨑：早稲田もそうなんですけど、学連選抜チームっていうのもあるので、その応援をお願いしますっていうのと、あとはなんて言ったらいいのかな、見ている人にも色んな思いがあるとは思うんですけど、やっぱりそれぞれ下で支えている人たちがいるんで、そういう人たちの思いも感じながら箱根駅伝を見てほしいなと。
――ありがとうございました！最後に言い残したことなどあれば…
稲毛： そうですね…。箱根を通して陸上を楽しんでもらえたらいいかな、と。
大﨑：それはありますね。
五十川：箱根だけじゃなくて。
大﨑：そうそう、箱根だけじゃないっていうのは言いたいですね。
稲毛： ほんとに出雲・全日本とか通して見るだけでもやっぱ違ったものがあると思うんで、箱根だけじゃなくて本当にそういうのを通して「学生の陸上ってこんなやってんだな」っていうところに興味を持ってもらえたら嬉しいですね。
ウィルウィン：お二人も言いたいことなどあれば…
大﨑：はい、大丈夫です。
稲毛： 大丈夫ですか？言い残したことないですか？
大﨑：はい…(笑)。あの、「短距離選手も忘れないでね」っていうことは…。
五十川：トラック＆フィールドは会場というかグラウンドで見ないと面白くないというか。見てこそ面白い気がするので、ぜひ…
大﨑：国立競技場へ(笑)
五十川：まだ分かんないですけど(笑)、見に来てください！
――ありがとうございました！
この取材の後も学連の事務所へお仕事に向かわれた3人。お忙しい中でも終始笑顔を絶やさずに取材に応じて下さいました。日々学連の仕事に精を出す3人の一番の願いはやはり「学生陸上競技の面白さを伝えたい」という想い。国民的行事化した箱根駅伝が大々的に注目される昨今ですが、学生陸上はもっともっと奥が深いのです。ぜひ、箱根駅伝だけでなくトラックの試合にも足を運んでみてください。そこで戦っているのは長距離選手だけではありません。短距離やフィールド…と多くの選手が頂点を競い合っているのです。そして戦う選手の後ろでは、学連の方々の奮闘ぶりも垣間見ることができるはずです。
関連URL
早稲田大学競走部公式サイト
 |
| 2/2 |
|
