――マネジャーをしていた中で印象に残っていることは?
 
福島:一番王道なんですけど、正直、昨年主務やってなかったら箱根のゴールの所にいることができなかったんです。ゴールテープの裏って4年生とメンバーしか入れないんですよ。でも主務ということで入れてもらうことができて、一番近いところで経験出来て、渡辺さん・相楽さんを胴上げすることができてすごい…すごかったよ…っていう話ですね(笑)。もう感動どころじゃないというか、なんて言えばいいんですかね…。大手町って色んな企業があるので就活で行くじゃないですか。で、ゴールの所を偶然通ったんですよ。「あ、ここゴールのとこか」って。その時はまだ何もない所だったんですけど鳥肌が立って。「あ、スポーツは宗教的だな」って思いつつ(笑)。そう思いつつ、「また今年も勝ちたいな」って思いながら面接に行きました。 
卯木:今年震災が東北であったじゃないですか。毎年9月に岩手県に合宿行くんですけど、今年も合宿に行って。ほんとやれるか分かんないくらいの状態で、実際行って、道にヒビ入ってたり建物が壊れてたりっていう状況の中でなんか「普通に僕ら練習していいのかなあ」っていうような、なんだろ、「そういう気持ちで行っちゃって大丈夫なのかな」っていうのがあったんですけど。でも現地に行くとすごい歓迎してくれて、歓迎レセプションとか色んな方に「頑張って」って言ってもらったりだとか、僕たちが来ることが地元の人たちにとってすごい元気になることだからって結構口では言うじゃないですか。テレビとかでも「アスリートが来て元気になった」とか。でも実際に現場に行って、生の声を聞いて、走ってても農家のおじちゃんとかが声かけてくれたり。そういうのを聞くとなんかさっき福島さんが「スポーツは宗教的」って言ってましたけど、スポーツの持つ力っていうのを感じたし、自分らはただの学生スポーツっていう範囲内ですけど、すごい大きな責任とか影響力を持ってやらしてもらってるんだなあっていうのを実感できた場でもあったんで、それはすごいいい経験しました。
 
                  ――では逆に辛かったこととは 
                  福島: まあほんと毎日辛いんですけど、そういうのじゃないな…。毎日が辛いですけど、肉体的に辛いのと精神的に辛いのと感情的に辛いのとっていう3つの辛さがあると思ってて、肉体的は言わずもがなという感じなんですけど、精神的にっていうのは、箱根のエントリーとかを僕たちが資料揃えてやるわけですけど、提出しなきゃいけない書類がなかったり忘れてしまったりしたらエントリーもちろんできないわけで。あとは監督から言われたのと違う人をエントリーしてしまうだったりとか、そういった点では直接チームに影響があるところで。一つ一つの責任が主務になると本当に重くなってきて、チームメイトへの接し方とかも少し変わってしまいますし、先程言った通り、立場上言わなきゃいけない事と、福島翔太として思ってることがあって、でも言わなきゃいけない。厳しいこともチームのために言わなきゃいけないっていうのがあって、正直そういう時は精神的に辛いですし、「違うんだけど、分かってくれ、立場上言ってるんだ」っていうのを思いつつ。まあ伝わってるかは分かりませんが…。感情的に辛いのも似たような感じですけど、「自分が走りたかったな」っていう感情とか、そういうのがたまに来るときついですよね。
                    
   ウィルウィン: 
				  辛い時はだれかに相談したり? 福島:僕は相談しないで、勝手に抱え込んで勝手に解決する人です。自己解決能力(笑)。自己中なだけなんですけど。 
                  
卯木:辛かった…は、正直ないっすね、本気で。本気でないっす。僕、ポジティブっていうか、そもそも(マネジャーに)なったのは「自分がマネジャーになることで競走部がよりよく回る」っていうこともあったんですけど、それと同時に「マネジャーの仕事をやったら社会に出た時に必要なスキルがすごく詰まってるな」って思って。そこに自分が身を置けば絶対成長できるなって感じたんで、どの仕事も辛いってよりは成長できるチャンス…かっこいいですけどね(笑)。でもそういうふうに。そう思ってやってるんで、ほんと辛いな、嫌だなっていうのはあんま思わないですね。僕もポジティブに自己中なんで、「これ嫌や〜」って思うよりも、「これやったら俺成長できる」と思ってやった方が自分のためになるじゃないですか。そう思うんで、「よし、俺だけ成長したろう」みたいな、自己中にやってます。
                   
                  
                  
  ウィルウィン: 
				  いい意味で自己中の方がマネジャーには向いている…? 福島・卯木:うーん、それはないです(笑)。それはない! 
卯木:でも外から見えるところでは従順に 福島:「はいっ、分かりました、はいっ」みたいな。腰低く。 
卯木:ただ都合いいところでは自己中だった方がストレスたまんないし、そういうのあると思うんですよね。 福島:僕はいっぱい出してきました。                 
                  ――福島さんは主務として残り短いですが、最後までどのような主務でありたいか、卯木さんは代替わりしてどのような主務になっていきたいかをお聞かせください。
  
                  福島: 仲間想いのマネジャーになりたいですって言おうと思ったんですけど、なんか違うなって思ったんで…。最後まで何だろう…、冷静と言えば冷静なんですけど…
 卯木:かっこいいことお願いします。インパクトあるやつここで出した方がいい。 
福島:じゃあ、ぶっちゃけ、もうぶっちゃけます(笑)。あの、最後まで、勝つためのマネジャーになります、お願いします! 
卯木:あはは。 福島: 面接の最後(笑)。最後に一言ありますか?って言われて、「お願いします、失礼します」みたいな(笑)。
  
卯木:僕もちょっとそういう部分はあるんですけど、マネジャーの仕事ってちょっと頑張れば誰にでもできると思うんですよ。本当に誰にでもできるような仕事なんですけど、そういう存在にはなりたくないというか。付加価値のあるマネジャーってのがあって。当たり前の事を当たり前にこなすのは最低限。それじゃあ当たり前なんですけど、それをこなした上で、いかにそれぞれに付加価値をつけて自分の存在価値を出していくかっていうのがあって。もちろん黒子役ではあるんですけど、誰でもなれるようなマネジャーじゃなくて、必要とされるマネジャーっていうのがありますね。卯木じゃなきゃって思われるような。責任とかかかってくるんですけど、そういうのを感じながらもやれるようなマネジャーになりたいですね。
			
                 
関連URL 
早稲田大学競走部公式サイト 
                  
                    
                   
					  
			
                           
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