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2012年度駅伝特集「伝統を繋ぐ」 出雲駅伝直前 前田悠貴インタビュー

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夏合宿での前田選手の好調ぶりは卯木研也主務(スポ4)からもお墨付きです!

――卒業後も競技を続けられるのですか?
 そうですね。

――では最終的な理想像は?
 まだ国際大会に行ったことがないので、まずは日本代表になれるように。トラックでもロードでもなんでもいいですし、大会の規模は小さくてもいいので国際大会に出たいというのがあります。

――憧れの選手はいらっしゃいますか?
 川内優輝さん(埼玉県庁)ですね。明らかに他の人とは違う環境であれだけ日本のトップとして戦えるのはすごいなと。しかもトラックではそこまで速いタイムを持っていないのにもかかわらず、マラソンであそこまで出来るので。

――川内選手とレースでお会いしたことは?
 ありますね。見たことはあるんですけど、なかなか話しかけられず(笑)。いつか色々話を聞いてみたいなと思います。

――大学4年間で自分らしさが出せたレースはありますか?
 自分らしさ…やっぱり2年の箱根駅伝が一番いい走りができたんじゃないかなと。自分の持ち味が自分のペースで落ち着いて走れるところなんです。一人で走るのが好きなので。そういった意味で2年の箱根はしっかりと自分の世界に入れたのではないかなと思っています。

――ではタイム等の結果についても満足している
 区間賞取れなかったので不満は残りましたけど、あの時点での自分の力は出せたのかなと思います。

――前田選手にとって陸上競技とは?
 そうですね〜(笑)、なんだかんだで続けてきてちょっとずつ好きになっているかなって。ちょっとずつ生活の一部になったというか、自分にとって無くてはならないものになっているのかなと思います。

――結果が伴わなかった時や故障してしまった時にはどのような事を考えて乗り越えてきたのですか?
 結構遊んでしまった時もあったんですけど、やっぱり他の部員の試合結果とか頑張りを見て、自分もこのままじゃいけないなと思って。それが良いきっかけになって乗り切ったというか、やらなきゃいけないなと考え直したというか。そういうふうに考えながらやってきました。

――ここからは駅伝についてお伺いします。初戦の出雲まではあと5日となりました。前田選手の現在の調子は?
 全カレで一回5000走ったことでだいぶ調子も上がってきました。二次合宿はなかなか思ったように走れなかったんですけど、全カレ終わってからの三次合宿は今まで一番良い内容で練習できたと思うので、去年までと比べると調子が良いと思います。怪我なく終えることもできたので、評価としては80点くらいつけられるのではないかと。

――夏合宿も4年目ということで余裕を持てたのではないですか?
 そうですね、3年生までと比べると、だいぶ余裕を持って練習もできたと思っています。

――チーム全体としての調子は?
 去年は怪我人が多く出てしまったのですが、今年は怪我人もなく最後までこなせました。チームとしても去年に比べれば良いのではないかと思います。

――故障者を出さずに終えられたのは何故だと考えますか?
 一つは渡辺監督(渡辺康幸駅伝監督、平8年人卒)が上手くメニューを調整してくれたのと、あとは、去年の失敗を踏まえて、今年は一人ひとりが故障に十分に気を付けて合宿に取り組めたことがこの結果に繋がったのではないかなと思います。


 
チームの中で特に注目しているのは高田康暉選手(スポ1)だそう。お二人とも鹿児島出身ということで期待度も高いようです。

――今年のチームの雰囲気は?
 だいぶみんな明るい雰囲気でやっていると思います。そういう部分はこのチームの良いところですね。

――八木(勇樹、現旭化成)、矢澤(曜、現日清食品)、三田(裕介、現JR東日本)選手など力のある昨年の4年生が抜けた穴を感じることはありますか?
 でも元気な1年生も入ってきたし、3年生以下で結構伸びてきた選手も増えているので、あまりそういった穴は感じなかったですね。

――前田選手は今回が2度目の出雲です。昨年走って感じた出雲の印象は?
 前回はなかなか練習が積めていなくて準備不足のままでの出場になったので、あんまり良い思い出はないですけど、今年はしっかりできているのであんまり苦手意識を持たずに頑張りたいなと思います。

――一昨年の三大駅伝とは一転し、昨年の出雲は前を追う状況、それも相手の背中が見える位置でのレースとなりました。そのやり辛さなどはありましたか?
 そうですね、後ろでもらうと前を追わなきゃいけないですし、そうなるとなかなか自分のペースで走るわけにもいかないので。そういった面で、先頭で走るのより後ろで走る難しさ、前を追う難しさというのを感じながら走っていました。

――出雲でのチーム目標は?
 もちろん優勝ですね。やっぱり出雲をまずとればそのあとも勢いでいけるんじゃないかと監督も言っていたので、とにかく出雲は勝ちに行きたいというのが共通認識としてあると思います。

――意識する他大学はありますか?
 やっぱり東洋、駒澤あたりですね。優勝を狙うに当たって強敵になると思うので、意識してやっていくことになるんじゃないかなって。

――駒澤大学は前半区を重視しているようですが、前田選手がポイントだと思う区間は?
 やっぱり1区でリードを取りたいと監督も思っていると思うので、1区の出来なんじゃないかなと。区間配置はまだ決まっていないのですが、自分自身は任されたところを頑張りたいなと思います。

――自身としての目標は?
 やっぱり区間賞を取ることですね。それがチームの優勝にも繋がると思うので、とにかく任された区間で区間賞を取るということです。

――以前、前田選手は「2位以下と差のある区間賞を取りたい」、「1秒差の区間賞では意味がない」と仰っていました。今もその思いは変わりませんか?
 でもまあそんなことを言いつつ、まだ区間賞を一度も取っていないので(笑)、どうこう言う前にまずは区間賞を取りたいなと。

――その後は全日本、箱根と続きます。改めて前田選手の駅伝への思い入れを聞かせてください。
 やっぱり僕自身、駅伝で優勝したいと思って早稲田に来ました。2年生の時に三冠を経験できましたけど、去年は負けてすごく悔しかったので、今年は最後ですしとにかく1つでも多く優勝して終わりたいなと思います。最後は気持ち良く終わりたいなと。負けて終わりたくないので。

――最後の三大駅伝、ご自身の役割はどこにあると思いますか?
 役割…やっぱり後輩たちが安心して走れるようにすることですかね。特に初めて駅伝を経験する選手へは声をかけたりして、皆がしっかり力を出し切れるような働きかけを。そのためにはまずは自分が自分自身の仕事をしっかりすることだと思います。

――最後にファンの方に向けてメッセージをお願いします。
 そうですね…なんて言えばいいのかな(笑)…最後なので、応援してくれている人のためにも優勝したいなと思います!

――特に誰に走っている姿を見てもらいたいですか?
 「この人に」っていうのはあんまりないですけど、でも高校とか中学の先生にはすごくお世話になってきましたし、地元の友達とかも応援してくれているので、そういう人たちのためにもちゃんとテレビに映る位置で走りたいですね(笑)。

――ありがとうございました!

前田選手インタビューいかがでしたか?一つ一つの質問にじっくりと考えながら、丁寧に答えていただきました。周囲の勧めから「なんとなく」陸上を始めた前田選手も、今やチームに必要不可欠な存在。ここまでの成長はご本人の努力も然ることながら、周りの人への支えあってこそだと感じました。来る出雲駅伝では好調ぶりを思う存分発揮して元気な姿を見せられるといいですね! 

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(TEXT=矢野真由実、PHOTO=猪野史夏)
 


 
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