注目選手第1弾はやり投・ディーン元気(スポ3)だ。
今年4月中旬、国内シーズン初大会となる東京六大学対校陸上競技大会でB標準を早々に突破すると、
続く織田幹雄記念国際陸上競技大会でA標準超えを遂に達成。
A標準=82m00を2m以上も上回る84m28 で一気に脚光を浴びる存在となった。
その後のゴールデングランプリ川崎(81m43)、関東インカレ(81m54)でも80mオーバーでA標準相当の記録を連発し、「再現性を高める」ことに成功。常に観客を湧かせ続けた。いまやテレビで彼の顔を見かけることも少なくないだろう。
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昨年日本選手権の様子。村上(写真右)とディーン(同左)、今年の頂点に立つのはどちらか。
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間近に迫った日本選手権では、やり投第一人者・村上幸史(スズキ浜松AC)との直接対決に期待がかかる。
昨年までのディーンにとって村上は「追える存在がいるので本当にデカい存在」。
その村上を今年一気に抜き去り、日本人歴代2位の座を手にしたディーンだが、今季過去2回の直接対決(織田国際、ゴールデングランプリ川崎)では村上は右太ももの肉離れを抱えながらの出場となったため、本調子とは程遠い状態。真の意味での戦いは日本選手権へと持ちこされた。
日本選手権はロンドン五輪最終選考会であり、A標準を突破した者が今大会で優勝すればそのまま即代表内定へと繋がる。
既にA標準を突破しており、五輪出場可能性も高い2人。日本選手権の表彰台で頂点に立つのはどちらか―。伝統の意地と若い意地とのぶつかり合いに注目だ。
ウィルウィンの注目ポイントはディーンのビックスローが出るタイミングだ。
昨年度までのディーンは最終6投目の投擲で最も良い記録を出すことが多かった。国内外トップの選手が集うような大会では周囲と実力が拮抗しており、最後まで混戦が展開されたためだ。
しかし、今シーズンこれまでのディーンの記録は1〜3投目と序盤で出されたものが多い。天候やコンデション等も関係するが、ディーン自身の地力が伸び、他を寄せ付けない圧倒的な記録を早いうちに出せるようになったことは他選手への牽制とともに自信や余裕の創出にもつながっているのではないか。
日本選手権では、村上との激戦をディーンが早いタイミングで制することができるかどうかにも注目だろう。
【2012年度・ディーン元気記録】
3月24日 30th Annual Victor Lopez Classic 79m26(順位不明)
4月15日 東京六大学対校陸上競技大会 79m60(優勝)
1投目75m42、2投目F、3投目79m60、4投目―、5投目―、6投目F
4月29日 織田幹雄記念国際陸上競技大会 84m28(優勝)
1投目84m28、2投目―、3投目―、4投目―、5投目―、6投目73m85
5月6日 セイコーゴールデングランプリ川崎 81m28(優勝)
1投目81m43、2投目79m03、3投目79m98、4投目76m03、5投目―、6投目79m99
5月12日 関東インカレ 81m54(優勝)
1投目78m80、2投目81m54、3投目―、4投目―、5投目―、6投目―
関連URL
早稲田大学競走部公式サイト
2011年度新2年生特集「2度目の春」ディーン元気選手インタビュー
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