10月14日、島根県出雲市を巡る6区間44.5キロにて第25回出雲全日本大学選抜駅伝競走(出雲駅伝)が行われた。
秋晴れの空の下、全22チームがしのぎを削る争いを繰り広げる中、駒澤大が2時間9分11秒の大会新記録で頂点に立った。早稲田は健闘したものの、2時間11分46秒、4位で幕を閉じた。
レースの流れを左右する1区を任されたのは柳利幸(教2)。スタートから集団中盤で強豪校の様子を見る冷静な対応を見せる。レースが動いたのは6キロ過ぎ。駒大・中村が飛び出すと、それに続いたのは日体大、青学大、そして早稲田の柳。ここで流れを作るかと思った矢先、柳は熱中症の影響で1キロを残して失速する。最後は倒れそうになりながらも襷を意地で繋いだ。24分22秒、トップとは57秒差の9位だった。
「柳がフラフラになりながらもしっかり襷を繋いでくれたので、自分がどうにかしたかった」と語る2区の高田康暉(スポ2)は最短区間ということもあり、前半から積極的に走る。後ろから追ってきた明治大とともに前を追った。最後置いていかれるも粘り、1つ順位を上げて8位でタスキリレー。16分47秒、4位で終えた。
華のエース区間、3区を走ったのは山本修平(スポ3)。昨年と同様、攻めの走りで必死に前を見据える走りでスタートしてすぐに6位の明治、東洋に追い付く。そこから抜け出したいところだったが、「調子が悪かった中で上げてきたつもりでしたが、やっぱり実力不足でした」と逆に差をつけられる。それでも順位を1つ上げて7位で次の区間へ。23分29秒、区間5位。一人一人の思いが徐々に早稲田の順位を押し上げていく。
4区を走るのは、期待のルーキー武田凜太郎(スポ1)。「メディアの注目度もあって緊張したが、自分の走りが出来た」という言葉通り、自分のペースで着実に歩を進める。結果各校との差が縮まり、上位入賞を限りなく手繰り寄せた。区間5位、18分15秒だった。
5区は初出雲となる中村信一郎(スポ2)。この駅伝を迎えるにあたって1、2を争う好調をキープした選手だ。序盤は5位を走ったが、終盤5キロ過ぎで離される。苦しさを顔ににじませながらも粘る姿に、この成長が早稲田の層の厚さを感じさせた。しかし、順位は変わらず7位。最終ランナーの大迫に全てを託す形となった。
アンカーを務めたのは頼れる早稲田のエース大迫傑(スポ4)。今シーズン念願だった世界陸上への出場も果たし、名実ともに日本の代表選手に成長を遂げて出雲の地へ戻ってきた。その力を遺憾なく発揮する。「逆転の出雲」−その言葉通りやってのけた。7位でタスキをもらうと、そこから巻き返しにかかる。「ちょっと難しいかなと思ったんですけど、確実にいってチャンスがあれば」と最後まで追い上げに徹し、青学大、法政大、中学大の3校を抜いて早稲田は4位でフィニッシュした。去年の6位を上回る結果に、今後の巻き返しを予感させた。
「スピード駅伝」と称される出雲駅伝。今大会の早稲田は、出場6選手ともにトラックで今シーズン自己ベスト、あるいはそれに相当するタイムを出す一歩も譲らない状態で臨んだが、各強豪校はそれを上回るハイスピードでレースを展開。早稲田はあと一歩及ばなかった。しかし、駅伝シーズンは始まったばかり。「最低限の走りで次の全日本に繋げることができた」と大迫も語る。次なる勝負に向けて早稲田はとどまることなく走り出す。
選手コメントは以下URLよりご覧になれます。 ☆出雲駅伝選手コメント 高田・山本・武田・大迫
2013年第25回出雲全日本大学選抜駅伝競走
個人記録
区間 |
氏名 |
学年 |
学部 |
出身 |
個人記録 |
区間順位 |
チーム順位 |
1区 |
柳利幸 |
2 |
教育 |
埼玉・早大本庄 |
24.22 |
9 |
9 |
2区 |
高田康暉 |
2 |
スポ |
鹿児島・鹿児島実業 |
16.47 |
4 |
8 |
3区 |
山本修平 |
3 |
スポ |
愛知・時習館 |
23.29 |
5 |
7 |
4区 |
武田凜太郎 |
1 |
スポ |
千葉・早稲田実業 |
18.15 |
5 |
7 |
5区 |
中村信一郎 |
2 |
スポ |
香川・高松工芸 |
18.54 |
8 |
7 |
6区 |
大迫傑 |
4 |
スポ |
東京・佐久長聖 |
30.00 |
3 |
4 |
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計 |
2.11.47 |
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4 |
関連URL
早稲田大学競走部公式サイト
2013年度競走部駅伝特集『奪還』
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