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出雲駅伝直前インタビュー、第1弾は柳利幸選手(教2)です!
陸上競技をはじめてわずか数年ながら、着々と実力をつけ、今季は早稲田の主力に定着した柳選手。自己ベストを更新し続けたトラックシーズンを振り返って頂くとともに、三大駅伝への意気込みもお聞きしました。(※取材を行ったのは10月6日)
 





 
柳利幸選手プロフィール
  教育学部2年
  早大本庄高校・埼玉県出身
  自己記録  5000m:14分02秒13
        10000m:28分59秒12
ハーフマラソン:1時間03分26秒
――トラックシーズンを振り返って。シーズン当初は怪我で2か月走れなかったということでしたが、それ程走れなかったことは今までにありましたか?
 いえ、1か月ちょっとはあったんですけど、2か月っていう長い期間の怪我は今回が初めてでした。昨年よりも速く走れるようにというのを意識して2か月間は地道に身体作りをしていましたが、精神的に辛い所もありましたね。

――その頃に取り組んだ身体作りとは
 トレーナーさんと話し合ってメニューを出してもらったり、個人では体幹とか腰回りの大きな筋肉や身体の軸となるところを重点的に強化しました。

――6月の日体大記録会では怪我明けにも関わらず自己ベストでした(5000m:14分02秒13)
 怪我明けで自己ベストが出たのは嬉しいと言えば嬉しいんですけど、今シーズンの5000はこの時の1本で終わっちゃいましたし、そういう面で言えば全然まだまだなのかなというのがありました。できれば13分50前後を狙いたかったんですけど、怪我が響きました。

――同じレースで武田凜太郎選手(スポ1)が13分台を出しましたが、後輩の活躍は刺激になりますか?
 そうですね。凜太郎は高校時代からすごく速かった選手ですし、実際僕が大学1年生の時の六大学で5000mは負けているので、凜太郎が大学に入ってきたら見返してやろうと思っていたんですけど、レースのラストで競り負けてしまったので、悔しいなと思いました。

――日体大記録会には初出場でしたが、雰囲気などはいかがでしたか?
 走りやすかったですし、周りの応援が近いので、モチベーションも上がりました。初めてで若干緊張もしていたんですけど、良い走りが出来る環境ができる環境が整っているなと思いました。

――続くホクレンでは自己ベスト更新をするも、全カレA標準には届きませんでした。(10000m:29分02秒66)
  自分の中では全カレの標準を切るというのは前提としてあって、それよりもホクレンの1週間前くらいに、日体大の山中(秀仁、2年)が28分20秒台の記録を出していたので、自分もこのくらい出せたらなというのがありました。速いペースで突っ込んでどれ位いけるか試してみたんですけど、実際はそんなに甘くなくて、案の定後半失速しましたし、目標としていた山中のタイムに近い記録を出すことも全カレ標準を切ることも出来なかったので、すごく悔しいレースでした。

――山中選手とは仲も良いのですか?
 日体を走った時に声をかけてくれて。それまでは面識なかったんですけど、今ではすごく親しくさせてもらっています。

――同世代の選手は意識しますか
 そうですね。相手から見れば自分はまだ全然無名の選手で、意識されていないんだろうなと思いますが、やっぱりやるからには世代トップの人たちと勝負していきたいし、もっと言えば1個上の世代トップの人たちとも戦っていきたいので、まずは同じ学年の人に勝てる力をつけたいなと感じています。

――日体とホクレンでの悔しさは、全カレでの入賞で払拭できたのではないですか?(10000m:28分59秒12、6位入賞)
 走る前は、自分よりも経験実績のある人たちがいっぱいエントリーされているのを見て、正直入賞も条件的に合宿の合間の全カレという事で身体的にもトラックの10000を走るのはきついんじゃないかなと思っていたんですけど、チームの人たちが応援してくれましたし、いろんな人から声かけられて頑張れたので、そこはすごく良かったなと思います。

――全カレで他大の主力選手と走って感じたことは
 今までテレビの画面越しに見ていた選手が自分と一緒に走っているっていうのは夢みたいな感じでしたし、やっぱり一緒に走っているとオーラというか雰囲気があって、すごく圧倒されました。

――全カレで得た自信はその後に繋がりましたか?
 そうですね。入賞できたことと、自己ベストで28分台に乗れたことで、自分の中でも壁をひとつ越えられたのかなというのがありました。その分チーム内でも役割が変わってきますし、まだまだ上を目指さなきゃいけないっていうのも変わらないですし、もっと速くなりたいっていう気持ちは強くなりました。

――役割というのは
 チームを引っ張っていくというか、きつい時に自分が頑張ってその姿勢を見てもらって皆に少しでも影響を及ぼすことのできる役になりたいかなって。

――来年以降のトラックシーズンで強化したいところは
 まずは春先に怪我をしないことです。そこからレースに今年よりも出て、そこでまた自己ベストを更新し続けられたらなと思います。

――ここまで自己ベストを更新し続けてきていますが、それをプレッシャーに感じることはありますか?
 いや、プレッシャーというよりは、むしろモチベーションみたいな感じです。例えば記録会に行く時も、「今日はあんまり調子は良くないかもしれないけど、自己ベストはいけるだろう」みたいな感じで、自信…根拠のない自信ですけど、自信にはなっているのかなと思います。自己ベストの更新は自分の中では最低条件だと思っているので、プレッシャーにはなっていないと思います。

――今月下旬に記録会が予定されていると思いますが、そちらには出場しますか?
 はい。設定のペースも決まっていて、記録を狙うにはちょっと厳しいかなとは思うんですけど、自己ベスト更新は狙いたいです。まだ全カレA標準を切っていないのでそこは切っておきたいなと思います。


――競技面や精神面で昨年より成長したと感じる部分は
 昨年は4年生が本当に力のある方たちだったので、先輩たちに食らいついていくので精一杯だったんですけど、1つ学年が上がって少し余裕が出てきたというのはあります。練習でも引っ張る事が結構ありますし、きつそうな選手に声掛けたりもします。2年生なので先輩として後輩を引っ張っていけたらなという意識が出てきたと思います。

――今年から「主力」と呼ばれることも多くなりましたね
 大学に入った時には、自分が2年目で主力になるとも思っていなかったし、今でも自分が主力っていうのも全く思っていないというか…自信がないといったらあれかもしれないですけれど、まだまだかなというのがあるので、これからの駅伝シーズンや試合でどんどん他大の人と渡り合っていけるようになったら自分の中でも主力という自信がつくのではないかなと思います。

――首脳陣からはどのような評価を頂いていますか?
 そんなに賞賛されるってことはあんまりないのですが、それは多分まだまだいけると信用してもらっているからそんなに褒められたりしないのかなって思います。でも信頼はしてくださっていると思うので、その信頼に応えたいというのは最近強く思ってきました。

――寮生活や授業との兼ね合いも慣れましたか
 そうですね。昨年は平日は朝練習を早朝1人でやって、水曜日のポイントは夜に臼田さん(稔宏、基理3)と2人だけで練習したりして、集中練習期間もすごくきつかったんですけど、学年が上がって授業にも慣れましたし、日程もある程度自由にできるようになったので、その点では昨年よりは良いんじゃないかなと思います。

――2年生は仲良い学年ですか?
 仲が良いって言えば良いですけど、練習とか陸上になるとけじめがついていて、すぐに切り替わるので、仲は良い中でもライバル心はあります。

 

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(TEXT=矢野真由実、PHOTO=関谷公子)

 

 


 
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