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2015/10/12[競走部]

開幕戦は6位、全員駅伝で次なる大会に挑む
第27回出雲全日本大学選抜駅伝競走レポート

10月12日、学生三大駅伝の開幕戦となる第27回出雲全日本大学選抜駅伝競走(出雲駅伝 )が行われた。台風の影響により学生三大駅伝史上初の中止となった前回大会。選手たちは2年分の思いを込めて、出雲大社正面大鳥居前〜出雲ドーム前の6区間、45.1キロを襷をつなぎ駆け抜けた。そして早稲田大学にとっては、相楽豊監督が駅伝監督に就任して初めての三大駅伝という重要な大会であった。今大会は日差しはなく、風もそれほどない比較的良いコンディションのもとでのスタートとなった。

 1区8.0キロはスピード駅伝と称される45.1キロを制する上での流れをつくる重要な区間。 各チームのエースが揃う中、早稲田は武田凛太郎(スポ3)が任された。レースは最初の1キロが2分43秒、2キロが5分32秒といったハイペースな戦いとなった。武田は序盤7位の位置で先頭集団の後方についていたが、4キロ過ぎから徐々に集団から遅れをとっていった。その後ペースを落とした東洋大を抜き6位に順位を上げて襷をつないだ。トップとの差は38秒であった。

 最短5.8キロの2区は出雲駅伝を象徴するスピード勝負となる区間であり、任されたのは柳利幸(教4)。1区で出場したものの熱中症で失速するという大きな悔しさを味わった前々回大会をバネに、2年越しのリベンジを果たす出雲路となった。第一工業大を抜いた柳は順位を5位に上げ、トップとの差は50秒で3区へと襷をつないだ。

 エースクラスがしのぎを削る3区は、今年から少し距離が伸びて8.5キロ。強い風との戦いでもあり、レースの主導権を左右する前半戦の山場ともなる区間だ。早稲田からは中村信一郎(スポ4)が出場した。中村は1キロ手前で前を走る東海大に追いつき並走、後ろからは山梨学院大が近づくなか、向かい風と戦いながら4位争いを繰り広げた。その後7キロ付近では前を走っていた明治大がペースを落とし、早稲田大、東海大、山梨学院大の3校による3位争いへと展開していった。ラストは中村が2校からやや遅れ、また東洋大に追いつかれてトップと1分6秒差の6位での襷リレーとなった。

 続く4区6.2キロ、は終盤までゆるやかな上り坂が続き、安定感と我慢強さが求められる区間。早稲田からは次期エース候補の呼び声も高い平和真(スポ3)が出場し、初の出雲路に挑んだ。平は序盤から東洋大、東海大、山梨学院大と3位争いを繰り広げた。この3位集団は、中継所で58秒あったトップとの差を中間点通過時には48秒まで縮めるというハイペース。しかし終盤に集団は縦長になり、平は遅れたものの順位はキープ し6位で襷をつないだ。トップとの差は57秒で区間3位の記録を出した。

 5区は直線的な6.4キロのコースであり、前後を意識しながら最後の襷リレーへと向かう。早稲田からは、夏以降好調を維持している佐藤淳(スポ3)が出場した。3位集団はばらけて佐藤は東海大と並走。5位争いという形となり東海大に食らいついていたものの、終盤で引き離されてしまい、順位をあげることはできず6位をキープしたままアンカーへと襷を託した。トップとの差は1分16秒、区間5位の走りだった。

 すべての思いを託されたアンカーが挑む6区は、最長の10.2キロのコース。この6区を任されたのは安定した走りが期待される井戸浩貴(商3)。襷リレーの直後、襷の処理に手間取ったドミニク ニャイロ(山学大1)を抜いて5位に上がるも、ニャイロはすぐに立て直し井戸と東海大を一気にかわし4位に上がった。井戸は東海大と並走していたが、徐々に差が開いて6位に落ち着き、出雲大社前をトップとの差1分15秒で通過した。その後はそのまま6位をキープし、早稲田は開幕戦を全体順位6位、2時間12分6秒という記録で終えた。

  今大会の優勝は青山学院大。3区まで駒澤大がトップを走っていたが、青山学院大の3区久保田(青学4)が驚異的な追い上げを見せ、第3中継所手前で駒澤大をかわしてトップに躍り出た。そこからの青山学院大と駒澤大、2校の先頭争いは見応えのあるもので、最終区まで目が離せない展開となった。

早稲田大学は絶対的エースが不在のなか、全員駅伝で挑んだ今大会。どの選手も大きな失速などはなく、1区での6位からゴールまで順位を落とすことはなかったものの、青山学院大や駒澤大との熱い優勝争いに加わることができなかったこと、また、終始競り合った東海大を抜き去ることができなかったことなど、悔しさが残る部分も多かったことだろう。しかし、戦いはまだ序章にすぎない。この開幕戦の悔しさを糧に、さらなる勢いをつけて次の勝負へと乗り込んでほしい。

2015年第27回出雲全日本大学選抜駅伝競走 個人記録

区間
氏名
学年
学部
出身
個人記録
区間順位
チーム順位

1区

武田凜太郎
3
スポ
東京・早稲田実業
23.12
6
6

2区

柳利幸
4
埼玉・早大本庄
16.11
7
5
3区
中村信一郎
4
スポ
香川・高松工芸
24.51
7
6
4区
平和真
3
スポ
愛知・豊川工業
18.01
3
6
5区
佐藤淳
3
スポ
愛知・明和
18.54
5
6
6区
井戸浩貴
3
兵庫・龍野
30.57
10
6
2.12.06
 
6

 

関連URL
早稲田大学競走部公式サイト
2015年度競走部駅伝特集『エンジ魂』

(TEXT=遠藤優奈)
 


 
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