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----そういう問題点が出てきたのは、早稲田がどうしたとかより、大学スポーツ自体が人気を無くしてきたからだと思うんですが、そういう事態になってはじめて、多くの人がこういう問題点に気付き始めたんだと思うんですが…。

坂井 まさにその通りですね。早稲田は甘えてたのかもしれませんね。本当に昔は良かったかもしれないんですよ、成績うんぬんじゃなくて、一体感があったわけですよ。今、早稲田ファンのオヤジさん達が選手に盛んに話しかけるでしょう?昔のまんまなんですよ、きっと。僕たちがオヤジになったらそれができるかどうか…。

----では、神原君は、このプロジェクトで実際に何をやろうとしているんですか。

神原 僕は三本柱でいきたいと考えています。つまり、選手側からのスポーツ、アカデミックな視点からのスポーツ、そしてファンや社会一般の人々の視点からスポーツを見るということです。実際のコンテンツとしては、現役の選手やOB、OGの方々に対するインタビュー取材や、試合の結果の分析・検討、選手によるウェブ上で日記の連載などを計画中で、その他に、教員の方々にエッセイを依頼したり、早稲田出身のジャーナリストの方に寄稿して頂いたりというようなことを考えています。それから、これは僕自身が今、興味を持っていることなんですが、スポーツ倫理とかスポーツ社会学というような視点からも早稲田スポーツを検証してみたいですね。

----坂井さんはどうですか。

坂井 神原君の言うようにスポーツにはたくさんの見方があるわけですよ。楽しみ方も千差万別ですし。でも、そういうことを教えてくれるものが何もないんです、今の状況だと。「スポーツに興味がない」というのは一向に構わないんだけど、スポーツというのはこういうものだよ、と取りあえずスポーツに触れる機会がないわけです。もしかしたらそこでスポーツを好きになれたかも知れないじゃないですか。スポーツ自体をって話だけでなくて、スポーツを媒介して文学に出会ってもいいし。恋人と出会ってもいい。スポーツは目的であり、場なんですよね。これだけ広さと深さを持ってるものってないんですよ。だから、誰でもスポーツに関わることはできるんだ、こんなに多くの楽しみ方があるんだということを提示して、そこで興味がなかったらそれでいいし、そこで何かやりたいと思ったら何でもできるという環境を整えたいんです。


  

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