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2002/11/16 [ラグビー蹴球部]

ラグビー早慶戦徹底ガイド

 
ラグビー早慶戦過去5年間の戦績
スコア
74
平成9年
●12-42
75
平成10年
○35-21
76
平成11年
●21-29
77
平成12年
●10-31
78
平成13年
○54-21

 今年も伝統の11月23日がやってきた。思えば2、3年前のシーズンは慶応の黄金時代だった。3年前の早慶戦、全勝対決が騒がれる中、早稲田は前半18-5とリードで折り返すも後半逆転され21-29での敗戦。目の前で慶應ラグビー部の100周年メモリアルVを達成され、慶應はそのまま大学選手権を優勝した。2年前の早慶戦、今や日本代表のWTBとして名を轟かす栗原(現サントリー)をはじめとしたメンバーにより、10-31と早稲田は叩きのめされ、屈辱の2年連続敗退となった。早稲田が清宮監督招聘を決断したのもこの結果があったことは疑いない。そして、昨年度の早慶戦、前評判は互角とされていた。しかし、日本代表にもなったFL野澤をキャプテンとした慶応に対して、早稲田はLO左京主将を軸にそれを上回る展開力をもって見事に慶応を54-21で打ち破り、早稲田はその勢いで11年ぶりの対抗戦優勝を成し遂げた。今季の早慶戦は2年連続の全勝対決となった。今季の実績から早稲田が優勢なのは否めないが、慶応も黙っちゃいない。満員の秩父宮ラグビー場で11月23日、対抗戦の覇者を賭けた戦いが始まる。

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早稲田の戦力分析
 早稲田は昨年度卒業して抜けた主力の部分を厚い選手層で補い、去年以上のチームを作り上げてきたといってもいい。昨年度清宮監督就任から一気に力をつけてきた早稲田は、大学選手権決勝で関東学院に惜敗した悔しさを胸に、今季さらなる充実を見せている。春・夏にかけての練習試合では全勝。秋のシーズンイン直前に、日英対抗ラグビーでオックスフォード大学に23-23で引き分けた試合と関東学院との練習試合2試合以外はいずれも危なげなく圧勝している。秋シーズンでも現在、大学対抗戦を5連勝中。隙のない布陣で相手に付け入らせない。

 気になるメンバーはどうか。厚い選手層でどのポジションにも穴がない万全のチームが出来上がった。FW陣ではPR大江と昨年度からレギュラーの伊藤にHO阿部の第一列がスクラムを安定に導く。そこに得点力のあるLO高森、桑江にFLは川上、羽生が小さい身体ながら献身的なタックルを披露する。そしてNo.8には昨年度高校日本一に輝いた啓光学園から鳴り物入りで入団した佐々木がいきなりポジションを奪取し控える。HB陣に目を移すとSH田原、SO大田尾と昨年度のコンビが今年も顕在。この2人がFWとBKを繋ぐポジションとして、絶妙の試合運びを見せる。そして、BK陣。快速WTB仲山、山岡(山田)は今年もライン際を駆け上がる。CTBにはSOから転向し安定したプレースキックも見せる安藤と、学生一の切れ味を持ち日本代表スコッド入りも果たしたキャプテン山下が相手ディフェンスにプレッシャーを与えつづける。そして懸案だった最後方のFBには内藤兄弟(兄・晴児、弟・慎平)が急成長し、兄弟でポジション争いを繰り広げている。

 

 BKだけではなくて、FWも積極的にライン参加し点を取りに行くのが新しい早稲田のスタイル。特に注目と言える選手がいないぐらいどこからも点が取れる力がある。そんな中で強いて名前を挙げたいのが、やはりキャプテンのCTB山下とSOの司令塔大田尾だ。CTB山下は昨年度その恐ろしい切れ味で相手チームを恐怖に陥れた。今年はキャプテンになったこともあり、チームプレイに徹している部分があるが、その切れ味は今年もなお要注目だ。そして昨年度から高校時代のポジションSOに転向した大田尾は今年更なる進化を遂げた。昨年度はパス中心にボールを散らせるプレーが多かったが、今年は自分でも積極的に前に行くようになり、相手ディフェンスの的を絞らせない。試合の流れを読み、プレイを切り替えるコントロールタワーとして早稲田を支える。大田尾の試合運びにも目が離せない。

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(TEXT、PHOTO=山田浩平)
 


 
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