WasedaWillWin.com
 


 

 

ワンゲルに入ったのは直感

 彼女は中高と吹奏楽をたしなみ、どちらかと言うとスポーツとは無縁の女の子だった。一言ひとこと、ゆっくりと言葉を選びながら話す影には学級委員などを任される信頼感・安心感が漂う。おっとりタイプ。でも直感で動いている。

――では、なぜ牧野さんはワンゲルを始めたんですか?
「知らない自分自身の感情があることはうすうす感じていました。それを知りたいと思ったんです。はっきりしたものじゃなかったけど、ここ(ワンゲル)にはそういうものが引き出される場があるんじゃないかと直感で思いました。ワンゲルが必要な場所でしたね、今思えば。」

 

――知らなかった感情とは具体的にどういうことですか?
「うれしいとか悲しいっていう感情って、かなり他人に作られた感情のような気がします。(例えば)悲しさって個人で違うはずなのに、(こういうときは悲しいはずだっていう)共通認識でひとまとまりにされている感じですね。でも、(ワンゲルを通して)自分なりの感情がわかるようになりました。この感情はなんだ!!っていう名状しがたい感情がよみがえってくるんです。あぁ、これが悔しいってことなのか!!これが本当に悔しいって、うれしいってことなのかぁ!!!って。」

生きてるって感じる

「ワンダリングは、他にわずらわしいものがなくなって欲求とかがわかりやすい極限状態に陥るんです。そうすると純粋な感情がわかりやすい形であらわれてきて・・・。周りの人もそう思っているんじゃないかな。一回味わっちゃうと、純粋な感情のぶつかり合いのできない人間関係が薄っぺらく感じちゃいます。この感情は一番大事にしていて、生きていく中で忘れたくないし、失うことはないと思います。」

 今の牧野佐千子にとってワンゲルは生活そのものであり、全部の感情が入り混じっているものだ。

「ものすごく怒ったり、単純にご飯がおいしかったり、何気ないことをすごく幸せに感じたり。生きてるって感じるんです。ワンゲルには苦しみにつりあう喜びがありますね。」

 彼女は現在、六月上旬から始まる練成合宿に向け、目下トレーニング中。次回はその報告をしてもらう。


 

 
2/3

 

 


 
WasedaWillWin.com HOMEへもどる