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  Realvoice年間プロジェクト 

2009/11/30掲載

競走部 江里口匡史 第3回



前のページより)

――リレーでのご自身の走りはいかがでしたか?
 調子は良かったんですけど、予選はもう一つスピードが上がれそうなところで上がらないままいったところがあって、決勝ではそこをもっと意識してスピードを上げていけたらなと思っていました。その決勝は、前半はすごく良くて加速にも乗った感触があったんですけど、カーブの出口のところでちょっと体がブレて動きがバラバラになって、そこで失速した感じになってしまって。単純に力んで最後に余裕がなくなって失速という形じゃなくて、力は残ってるのにそれをうまく使えずに失速していく感じがあったので、そこが出来なかったことが走り終わって勝った後でも自分の中でモヤモヤして残っていましたね。
 (今回のアジア選手権は)100mとリレーを振り返っても何か良いところがないというか、自分の良いところを大きく出せた試合ではなかったので、自分らしさをもっと表現できる試合にしたかったなと思いました。

 

江里口選手の秋シーズンの主な戦績
アジア選手権 100m 1次予選 10秒82(-1.0)
4×100mR 優勝 39秒01
スーパー陸上 100m:10秒31(+0.5) 3位
テグ国際陸上 100m:10秒56(-0.6) 5位

――大会が行われた中国(広州)の印象は?
 中国は今まで二回行ったことがあって今回が三回目だったんですけど、やはり気になったのは食事ですかね。やはり水に関しては水道の水とか基本飲まないようにも言われますし、水のにおいもちょっと泥臭いという感じでした。やはり日本の常識がそのまま通じることが他の国ではまずないので、そういう食べ物とか水に関しては特に注意しなければいけないなと思いました。

――来年のアジア大会に向けてそういった経験ができたことは大きいのでは?
 そうですね。競技場のトラックの質感や気候の条件だとかも、来年も同じような時期にやるみたいなので、イメージはしやすいですね。あとは今回ダメだった分、次はリベンジの気持ちで行きますし、アジアチャンピオンの称号を奪い取りたいと思うので、そういう点でもやはり次に繋げられるようにしなくちゃいけないなと思います。

――ここで改めて、秋シーズンを振り返ってみて頂けますか。
 秋シーズンは、世界陸上を終えて、積極的にレベルの高い試合というか国際試合やそれに近い試合にどんどん出ようと思って臨んだシーズンでした。その中で自分の出たい試合もあるんですけど、それ以外にも自分が早稲田の競走部員として出なければいけない試合もあるので、そういうものを踏まえて予定を立てていた分、比較的試合は多めになったと思いますね。

――国際試合や海外でのレースに積極的に参加して感じたことは?
 「国際試合で自分が走ったりしていることが当たり前なんだなと感じること」がまず必要だなと思いましたね。それが当たり前になり過ぎるというのは、まだ僕には良いか悪いか分からないですけど、まずは海外の試合などに積極的に参加して、どんな条件でも走れるような自分の中での『スタンス』というか、そういうものを作り上げていかなければ、いざ国際試合で結果を出したい時に、結果が伴わないことになってしまうと思うので。(海外の試合で結果を残すためには)まずどうしたらいいかと頭で考えるよりも、経験してみなければどうしようもないことだなと世界陸上の時も感じたので、そういった意味ではどんどん自分から外に出ていかなければいけないなと感じました。

――秋シーズンを通じての収穫は?
 やはり一番は、海外に出て競技をやることにあまり違和感を感じないようになったことです。高校でいったらインターハイ、大学でいったらインカレや日本選手権、そういう試合には県を飛び越えて電車や飛行機で行ったりしますけど、それが海外の試合の場合には、もう少し広がって世界の中を移動して、そこで競技をやってっていうスタンスに変わるだけだと思うので、『段階を踏んで自分の世界を少しずつ広くしていく』しかないのかなと思いましたね。確かに国内でずっとやってていきなり国際試合で結果を出せる人もいると思うんですけど、僕はそういう感じでもなくて、そういう(段階を踏んでいく)スタンスで行くのが一番いいんだろうなって感じもしました。
 今年はアメリカにもアジアにもヨーロッパにも行ったので、その国々の環境も違いますし、食事だってそうですし、国ごとの当たり前っていう基準が全然違うのを身をもって感じることができました。ただ、逆にそれを楽しめるようにもなってきたので、やっぱり(自分の中で意識が)変わってきてるのかなと思いますね。

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(TEXT、PHOTO=岡崎聡)

 

 


 
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