大手町での悔し涙から1年。10月の予選会で圧倒的な強さを見せ1位通過した早稲田は、この1年竹澤健介(スポ2)を筆頭に、個々のレベルアップを図り、確実にチーム力を上げてきた。そして迎えた2007年1月2日。チームとしてこの1年間の集大成を見せる時がやってきた。早稲田は往路のエントリー変更はなく、選手達の調整が上々である事を窺わせる。気温は5℃。曇り空で風もなく、絶好のコンディションの大手町に、午前8時、号砲が鳴り響いた。
早稲田、スローペースのスタートに
1区で注目を集めたのは東海大・佐藤。東洋大・大西と共にスタート直後飛び出し、7.6q地点の新八ツ山橋では3位集団とすでに3分差を付けた。一方阿久津圭司(スポ2)は18人の大集団の中で自重気味のレース。18q過ぎに城西・高橋がスパートをかけた時もペースが上がりきらず、結局区間9位。1位東海大とは4分33秒差がつき、昨年同じ1区を走った際より1分以上タイムが落ちてしまった。東海・佐藤は94年に現・早大監督の渡辺康幸が記録した区間記録を7秒更新する区間新の走りであった。
役割を果たした2、3区
9位で襷を受け取った竹澤健介は後方からやってきた山梨大・モグスと共に次々と前を走るランナーを抜き去り、1.5km付近で4位まで順位を上げた。その後自分のペースに戻し、7.7qで追いついた東洋大・黒崎とそのまま並走。着々と前との差を詰め、22q過ぎには前半のハイペースが祟ったモグスも抜き去り、黒崎には一歩及ばなかったものの3位で襷リレー。1位東海大との差を13秒縮め、区間1位の走りでエースの役目を果たした。
3区の主将・藤森憲秀(スポ4)は4q過ぎ、前を走っていた東洋大を捕らえそのまま並走。2人はけん制することなく、抜きつ抜かれつ、攻めの走りでじわじわと1位東海大との差を詰めていく。後方では日大・ダニエルも好走を見せていたが、追いつかれる事はなく区間3位の快走、1位と2分13秒差の2位で平塚中継所へ飛び込んだ。またこの3区では中央大・上野が9人抜きの力走を見せ、区間賞を獲得した。
混戦となった往路終盤
4区は本多浩隆(スポ3)。5km付近でそれまで並走していた東洋大に離される。その後11q付近では日大に3位の座を奪われ、その差はじりじりと開いていった。口が開き、走りに勢いが見られなかったが、なんとか粘りそのまま4位で小田原中継所へ。しかし後方からは順大・佐藤が区間賞の走りで猛追を見せ、最終的に本多との差を6秒まで詰めてしまった。
「山上り」を任された駒野亮太(教3)は、2.5qで山のスペシャリスト順大・今井と日体大・北村に追いつかれ、始めは並走。しかし本格的な上りが始まる5.5q過ぎにはついて行く事ができなくなってしまった。その後も今井は期待通りの快走を見せ、昨年今井自身が作った区間記録を自ら更新する区間新の走りで、一気に1位まで順位を押し上げ、順大の2年連続往路優勝に貢献した。一方駒野も堅実な走りで16q過ぎには日大、東洋大に追いつく。またラストの下りに入っても疲れを見せる事なく、結果1位の順大と3分44秒差、3位・日体大とは24秒差の4位で往路を終えた。
復路に向けて
どの大学も爆発力のある選手は往路に配置しており、復路では確実な襷繋ぎが、シード権獲得、また上位入賞の鍵となるだろう。早稲田の復路には、安定感のある4年生、そして勢いのある下級生が控えている。それぞれが「自分らしい」走りで襷を繋ぎ、笑顔で大手町へ戻ってくる事に期待したい。
2007年第83回東京箱根間往復駅伝競走
往路個人記録
区間 |
氏名 |
学年 |
学部 |
出身 |
個人記録 |
区間順位 |
チーム順位 |
1区 |
阿久津圭司 |
2 |
スポ科 |
群馬・東農大二 |
01.05.39 |
9 |
9 |
2区 |
竹澤健介 |
2 |
スポ科 |
兵庫・報徳学園 |
01.07.46 |
1 |
3 |
3区 |
藤森憲秀 |
4 |
スポ科 |
長野・佐久長聖 |
01.03.49 |
3 |
2 |
4区 |
本多浩隆 |
3 |
スポ科 |
山口・下松 |
00.57.48 |
14 |
4 |
5区 |
駒野亮太 |
4 |
教育 |
東京・早稲田実業 |
01.21.55 |
8 |
4 |
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計 |
05.36.57 |
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4 |
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