新年2、3日に行われる箱根駅伝の各校区間エントリーが12月29日に発表された。
今大会エンジの継走のスタートを任されたのは、尾ア貴宏(教2)。安定感のある走りと後半の粘りが持ち味の尾アは部内でも信頼の厚い選手。前回、前々回のように爆発力のあるランナーを1区に起用している大学は今大会見られないため、集団の中で勝負時を見極め、先頭との差を最小限に抑えてもらいたい。そして、以前から抱えていた坐骨神経痛の悪化で出場さえも危ぶまれていたエース竹澤健介(スポ3)はつなぎの3区にまわり、今季絶好調の高原聖典(人2)がエース区間の2区を務める。各校エースが集う2区だが、高原には粘りの走りで順位をキープしてもらいたい。起伏のあるコースも高原は得意としているため、後半の権太坂での走りがポイントになるだろう。また竹澤の走る3区も、近年その重要度が高まっており、中大・上野をはじめ各校有力選手が起用されている。以前「調子が悪くても悪いなりにまとめる事が必要」と話した竹澤。流れに乗って「つなぎ」の走りをしてもらいたい。
10区間中最短区間である4区に起用されたのは、朝日嗣也(教3)。九州一周駅伝では実業団の選手と共に走り区間賞を獲得、上尾ハーフでも63分台で走りきり、ロードでの強さは実証されている。そして5区は2年連続3度目の山上りとなる主将の駒野亮太(教4)が務める。高校時代から山上りのために鍛えられてきた駒野、今大会では更に経験の豊富さを活かし、熟知したコースで区間上位の走りを期待できるだろう。
往路のポイントは1区の尾アで上位校から離れない事、そして2〜4区でその流れを途切れさせる事なく繋ぎ、5区の駒野が区間上位で快走する事であろう。復路には安定感のある選手が控えているため、往路で良い流れに乗っておきたい所である。
復路のスタート、山下りの6区は昨年に引き続き加藤創大(スポ2)。今季はユニバーシアードのハーフマラソンで5位入賞するなど、持ち前のスピードに加えスタミナもついている。昨年自身が更新した早大記録を更に塗り替える区間上位の走りを期待したい。そして7区には三戸格(政経3)、8区には2年連続となる飯塚淳司(スポ4)がエントリーされている。また1年生ながら安定した実力を持っており、全日本大学駅伝で駅伝デビューを果たした中島賢士(スポ1)、1年次に3区を走った経験を持つ石橋洋三(スポ4)も当日エントリー変更される可能性があるだろう。
復路のエース区間、9区に抜擢されたのは三輪真之(人3)。リズミカルな走りと粘り強さが持ち味の三輪は、本番での弱さを指摘する声もあったが、全日本大学駅伝での力走見れば、その心配もいらないだろう。現段階で控えにまわっている各校の有力選手が当日のエントリー変更で9区に起用される可能性もあるため、堅実な走りでなんとか流れをキープしてもらいたい。そしてアンカー10区には神澤陽一(理工2)が選ばれた。神澤も秋から調子を上げているため、上位争い、もしくはシード権争いとなった場合でも、持ち前の我慢強い走りで十分戦う事ができるだろう。また復路では、往路の結果、他校の状況により、ロードを得意とする本多浩隆(スポ4)をどこかで起用する可能性も高いだろう。
大エース竹澤の不調により、早大にとって今大会は厳しいレースとなるだろう。しかし振り返ってみると、昨年の箱根駅伝予選会では竹澤が股関節の故障を抱えてのレースとなったが、2位以下を大きく突き放したダントツの1位通過。また今年の全日本駅伝予選も、竹澤欠場という中で本戦への切符を掴んでいる。今大会も、安定感のある上級生や、勢いのある2年生カルテットなど、エースの不調をカバーするだけの戦力は揃っている。先輩・後輩の垣根なく仲が良いのが今年の早稲田。今こそ、そのチームワークを強みとし、部員全員で新春の箱根路を力強く駆け抜けてもらいたい。
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