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 いよいよ目前に迫ってきた第87回箱根駅伝。箱根駅伝直前特別企画として、今年は12月10日発表された早稲田のチームエントリーメンバー16人を、選手のインタビューコメントとともに紹介します。(※なお大迫傑(スポ1)選手と市川宗一朗(スポ2)選手は取材の都合上、選手紹介文のみの掲載とさせて頂きます。ご了承ください。)

 第1回目は、大迫傑&志方文典選手の両1年生と、チーム最多の6人がエントリーメンバーに名を連ねた2年生の中から平賀翔太選手と前田悠貴選手の4名を紹介。今季はこれまで下級生ながら堂々たる走りを見せ、チームの出雲、全日本のタイトル獲得の大きな原動力となった4選手。箱根でも総合優勝を目指すチームに勢いをもたらすであろう『若い力達』にご注目ください!!


 大迫傑と並ぶ期待のルーキー、志方文典(スポ1)。出雲、全日本と出走し、
特に全日本大学駅伝では5区で区間新をたたき出し、堂々の区間賞を獲得した。
1年生ながらチームを冷静かつ客観的に見る力が優れている志方。
来る箱根駅伝ではその起用区間が注目されている。




 

志方文典選手プロフィール
スポーツ科学部1年
兵庫・西脇工業出身
自己記録 5000m:14分04秒77
10000m:28分38秒46
ハーフマラソン:63分20秒
10年出雲駅伝:5区 区間5位
10年全日本大学駅伝:5区 区間賞

――箱根駅伝まであと2週間ほどですが、現在の心境は?(取材を行ったのは12月18日)
 いつもと変わらない感じですね。あまり考えすぎないようにしています。

――チーム全体としての状態は?
 集中練習をやっていて今くらいが一番疲れている頃なので、これが終わってから調子を上げていこうと思います。

――箱根では各区間の距離が長くなりますが、距離に対する不安は?
 上尾ハーフを一度走っているので距離に対する不安はないですが、駅伝となると展開がわからないのでそこがまだわからないですね。

――志方選手が竹澤健介(平21年スポ卒、現エスビー食品)選手に憧れて早稲田を選んだと聞いたことがあるのですが、竹澤選手のように重要区間で区間賞を取りたいと考えたりしますか?
 そうですね。それは選手なのでやっぱりありますね。いずれは2か3区のどちらかを走りたいです。

――同じ1年生の大迫選手とはどんな話をしますか?
 箱根についてはそこまで話してはいないんですけど、箱根に関して大迫自身はやっぱりトラックで勝負したいっていうのがあるので、ちょっと長い距離に対する抵抗は少しあるみたいですね。

――大迫選手は箱根を世界への通過点としたいとおっしゃっていますが、志方選手はいかがですか?
 僕もそう考えているんですが、僕は長い距離から入ってトラックにつなげるっていう考えで、大迫の場合は逆で、短いところから入って、5000mとか10000mにつなげたいっていう考えなんですね。そのために箱根はそれなりに走っておきたいですね。

――同学年では大迫選手の他にも東洋大の設楽兄弟や駒澤大学の油布選手などの活躍も見られますが、意識はしますか?
 特にはそんなには意識していないですかね。向こうがどう走っても、結局は自分次第なので。

――志方選手が考えるチームのキーマンは?
 みんなって言いたいんですけど、やっぱり『山』ですかね。5区、6区。誰が走るかはまだ聞いていないのでわからないんですけど、やっぱり東洋大学とか山がよかったチームが大体総合順位で上位になってくるので、箱根になると山は重要になると思います。

――東洋大に対抗するためにも1区から4区まででどれだけ貯金を作れるかが大事になってくると思うのですが往路区間を走りたいなどの願望はありますか?
 往路は走りたいですけど、今のチーム状況などをいろいろ考えると自分は復路の方がいいのかなという感じはあります。

――それはどうしてですか?
 タイプ的にですね。自分はとりあえず安全に走るタイプなので。往路になるとどうしても突っ込んでいかないとならないので、ゆくゆくはそういう走りをしなければいけないと思っているのですが、今はもうちょっと安全に行く走りで。自分ではあんまりいい走りだとは思っていないんですけど、それが相手を追いかけるのにはいいかなって。

――全日本の時は設楽悠選手と並走したあと、最後に仕掛けてスパートをかける展開でしたが、箱根ではそういった攻めの部分は見られそうですか?
 あれくらいはまだ少し余裕があったので、あれくらいで20キロまでいけたらなっていうのはありますね。





 

大迫傑選手プロフィール
スポーツ科学部1年
東京・佐久長聖出身
自己記録 5000m:13分47秒29
10000m:28分35秒75
ハーフマラソン:61分47秒
10年出雲駅伝:2区 区間3位
10年全日本大学駅伝:2区 区間3位

 腰の高い安定したフォームで見る者を一際魅了する、佐久長聖高校出身のスーパールーキー・大迫傑(スポ1)。学生陸上界において、もはやこの名を知らない者はいないのではないか。高校時代から輝かしい実績を残しており、早稲田大学に入学してからも関東インカレ、世界ジュニア、日本インカレと立て続けに大舞台を経験し、逞しさを増した。大学駅伝デビュー戦となった出雲駅伝では、2区区間3位と本人としては不本意な結果に終わり、チームの優勝とは裏腹に一人悔しさを隠し切れない様子であった。しかし、続く全日本大学駅伝では、各校のエースが集う2区において、先行する7校をかわし2位に浮上し、優勝への原動力となる。その2週間後に行われた上尾ハーフマラソンでは、早稲田記録、アジアジュニア記録を共に塗り替えて堂々の優勝を果たしたが、その目は既に次を見据えていた。

 箱根駅伝に対する大迫の位置づけ、それは入学当初から変わらない。―トラックで世界と勝負するための通過点―だ。自分自身に対してストイックな印象を受ける大迫だが、最近では「仲間で優勝を勝ち取るために貢献した走りがしたい」と個人だけではなく、チームを見渡すようになってきた。チームの強みとして「総合力」を掲げる今年の早稲田に、今の大迫は必要不可欠だ。自分自身のため、そしてチームのために、箱根路を颯爽と、かつ力強く駆け抜ける姿が目に浮かぶ。
 出雲駅伝の直前インタビューでは、(箱根では)重要区間を走りたいと言っていたが、果たして渡辺駅伝監督は彼をどこに起用するのか。その采配に期待がかかる。

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(TEXT=矢野真由実、染谷知里、PHOTO=岡崎聡)

 

 


 
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