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九鬼選手の2012年度シーズンでの主な成績
織田記念陸上:100m 5位 関東インカレ:100m 2位 日本選手権:100m 2位
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――競技観や自分の中で大切にしていることはありますか?
やっぱり僕の中で、自分ひとりでは走れないなっていう部分があります。礒先生(=礒繁雄監督・昭36教卒)に助言をもらったり、確認し合える部分があってはじめて走れる部分があるなって感じます。そういうふうに思ったのがオリンピックの時で。6月から日本代表という形でずっと帯同させてもらっていたんですけど、礒先生がいない中で、改めて先生の存在がすごく大きかったなと感じました。
――礒先生との言葉のキャッチボールが上手くできるようになったのは、大学2年目のシーズンに入ってからと以前お聞きしたのですが、大学1年生の時はまだ確立されていない部分もあったのですか?
そうですね、先生に言ってもらっているのを僕ができなかったっていうのが本音ですね。言ってることは分かるんですけど、行動に出せなかったり解釈できなかったりした部分が多かったです。
――では意思疎通が図れた結果が高2や大2のような飛躍につながると。
そうですね。本当に言う事が分かってきたっていう部分が大きかったです。
――九鬼選手にとって陸上競技とは?
難しいですね〜(笑)。でも無くてはならないものですかね。ベタですけど。陸上をやっていない生活なんて絶対考えられないですし、他の競技も野球とかやってみたんですけど全然だめだったので、やっぱり陸上しかなかったです。
――ところで九鬼選手はレース前にいつも空を見上げるような仕草を目にするのですが、あれは何を考えているのですか?
あれは考えているわけではないんですよね。ルーティーンっていう言葉があるんですけど、例えば選手が袖をまくるっていう行為あるじゃないですか。そういうふうに、いつもの行為をすることでいつもの動きができるっていうことを耳にしたので。僕の場合は、レーンに入ったら足を上げるストレッチを3回位して、ゴールを見て、スターティングブロックについて上を見てからセットして、頭をかくんとさせるっていうのが流れなんですよ。
――江里口さんや木村さんに憧れて競走部に入部したとのことでしたが、入部前と入部後でイメージと異なっていた部分などはありましたか?
僕が思っていた以上にOBさん含め早稲田が好きだなというのはありますね。早稲田が伝統を築いてきたっていう思いをOBさんが語ってくれますし、選手とか先生も皆が早稲田好きだなっていうのは自分が思っていた以上でしたね。
――「エンジの重み」という言葉を選手からお聞きすることが多いですが、九鬼選手はいつごろ感じられましたか?
そうですね…。4年生の方がよく、「エンジの重みが分かった」と言っていたり、去年の4年生のマネージャーさんから「最後にエンジをもらって重かった」と聞いたりしたんですけど、でも正直僕にはまだ分からないかな…。こういうと汚い話ですけど、エンジが着れなかった時期はなかったですし、去年から悪い時でもエンジは着させてもらっていたので、僕の中でまだWの重みが分かってないですし、それはやっぱり4年生になって分かることなのかなっていうことを感じています。
――高校の時は実家暮らしでしたか? はいそうですね。なので寮生活は大学が初めてで。高校の時も遠征が多くて家を離れることはあったので、そこは大丈夫だろうと思っていたんですけど、実際ここに来てみると、1人になれる時間も少ないですし、1年生の時は当番も入ってきて、当時は慣れない環境での生活で辛かった部分もありました。
――ちなみに部内で仲の良い方は?
そうですね、後輩先輩同期仲良くさせてもらっているんですけど、ここにいる中でやっぱり尊敬しているのはディーンさん(=ディーン元気・スポ3)で。ディーンさんには本当に可愛がってもらっていて、どこ行く時でも一緒に行動させてもらっているので、今帰って来ていなくて少し寂しい部分もあるんですけどね。 ――ディーン選手のどのようなところを尊敬していますか?
種目は違うんですけど、競技に対する想いも先輩はすごく持っていて、「世界を見据えて」っていう事をずっと言っています。僕の悩みも去年から聞いてもらっていますし、本当に良い兄貴分っていう感じですね。
<第2回へ続く> 九鬼巧インタビュー第2回 〜早稲田での1年目〜
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