第二回「得点方式」
こんにちは。にわかファンです。今回からいよいよラグビーのルールの話に入っていきます。
トライは7点、ゴールは2点ないし3点
まずは基本的なところからいきましょう。今日の話題は得点方式です。最初はラグビーの代名詞の一つでもあるトライ。相手のゴールラインの中にボールを入れることですね。といってもただ入ればいいのではなく、プレイヤーが手に持って敵陣のインゴールにグラウンディングさせて初めてトライ成立。5点獲得となります。少し話がそれますが、ピンチの時に自陣のインゴールにグラウンディングすると「ドロップアウト」と言って自陣22mライン(※1)からのキック(※2)となります。
話を元に戻しましょう。得点は、トライの他にゴールでも入ります。トライをした後、トライをしたチームにはゴールキック(略称G)が与えられます。これが入ると2点獲得です。蹴る場所はトライをした位置から垂直に後退した場所ならどこでもOK。キッカーのやりやすいように決められます。
また、プレイ中に相手の反則から得たキックをゴールさせると3点(ペナルティゴール 略称PG)、プレイ中普通にドロップキックしてゴールに入れても3点です(ドロップゴール
略称DG)。
キックは立派な戦術、消極的じゃない!
このことを覚えておけば、試合終盤の駆け引きがわかってきます。例えば、点差が7点以上ついていれば、トライとその後のゴールを決められても追い付きません。つまり、終盤でこの差だと逆転は難しいということになります。この7点差のことをよくワントライワンゴール差と言い、一応の安全圏とみなすのが一般的です。
逆の見方もしてみましょう。終盤で5点しかリードしていない時にペナルティキックを獲得したなら、無理にトライを狙わずにゴールを狙って8点差にするのが普通でしょう。トライに比べて、ゴールは比較的狙いやすいですし、8点差あれば先ほどの「安全圏」になるからです。その為、僅差の終盤は一つの反則が命取りという、とても緊迫した雰囲気が漂います。トライの派手さに隠れてゴールは消極的とか卑怯とかいろいろないわれ方をされますが、ここまで上げた通り、キックも立派な戦術なのです。他に、序盤の主導権を取る為にペナルティキックから先取点を狙うのも一つのセオリーとなっています。
ゴールの話をしていると思い出すのが、去年度の社会人選手権の準決勝、神戸製鋼対トヨタ自動車戦です。最終的に神戸製鋼が後半の2トライで突き放すのですが、それまではまさにスタンドオフ(※3)の対決。神戸製鋼のミラー選手が上手い戦術を見せれば、トヨタの廣瀬選手は神憑かり的なペナルティキックを次々に決めていき、前半はトヨタのリードで、後半もかなりのところまでくい下がったのです。
後半、少しマニアックな話になってしまいましたが、要は試合の駆け引き上、キックはとても重要だということです。テレビでも構いませんから、是非この駆け引きの緊張感を楽しんでみてください。
(※1)ゴールラインから22mの距離にあるライン。ここより内側まで攻め込まれると、基本的にはピンチの状況。
(※2)正確には、ドロップキックといって、一度ボールを地面にバウンドさせてからのキックをします。
(※3)指令塔の役割をするポジション。サッカーと同じで、背番号は10。普通、フリーキックやゴールキックを蹴るのはスタンドオフ。
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