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  応援部チアリーダーズ(3回完結)
TEXT=神原一光
心(精神)・芯(技術)・進(前進)



第2回 心(精神)・芯(技術)・進(前進)

「頑張れ、ニッポン」という言葉がある。日本オリンピック協会のキャッチフレーズだ。昨年のシドニー五輪の際にも毎日のようにテレビやコマーシャルでこの言葉が流れ続けた。私個人としては、その言葉にいささか抵抗を感じている。アスリート達はみんな頑張っている。私には、頑張っていない選手などひとりもいない。それなのに「頑張れ」の一言だけで、その努力のすべてを理解したと思って欲しくない、「頑張れ」を超えたところを見て欲しい、そんな思いがあった。「頑張れ」は確かにうれしい言葉ではある。しかし、それは広く浅いもので、心に深く染み込んでくるような、はらわたに訴えかけてくるような響きがない。チアリーダーズの方達も同じことを思っていらっしゃったようだ。

「”頑張れ”の意味を本当に知るってこと程むずかしいことはなんですね。課題でもあります。”頑張れ”をどうやって表そうか…。いつも考えて、いつも悩むところなんです。(牧屋)」試合ではいつも同じ言葉ばかりかけてしまう。出場している選手のことを知る、そのスポーツの特性を知る、それは応援するスポーツをどれがけ理解しているかということにもつながるはずだ。「選手の名前を呼び掛けるだけで、見てるんだと思ってもらえば、それだけでも立派な応援だと思う(奥野)」名前は、人間が一番初めに覚える言葉だという話を聞いたことがある。よっぽど「頑張れ」というよりかは名前をいった方が効果があるに違いない。実際、私もテニスの早慶戦で応援部に「神原ー!、神原ー!!」と絶叫で応援され、武者震いした思い出がある。

チアリーダーをよく知らない人は、彼女達が応援するのは野球やアメフトだけだと勘違いしているかも知れない。しかし実際はそうではない。体育各部43部、試合があればどこへでも行く。
「でもね、野球のノリで他のスポーツも応援している自分達が、たまに嫌になるんです。競技ごとに応援を対応できない。その競技なりの応援の方法があるはずなのに、と思ってしまいます。見にくる学生も違うし。応援部の役割は”観客”と”選手”を繋がなくてはいけないのにって言い聞かせているんですけど…。(牧屋)」
「応援部って、攻守の切り替えが早いスポーツに弱いのかも知れない。(奥野)」野球は「スリーアウトチェンジ」で攻守の切り替えがある。「攻めていたのに、応援して急に逆に攻められてしまって、”やばいー”ってことも(笑)私たちって、邪魔してるとしか思えないとか思っちゃう時もあるんです。(岡田)」「自己満足で終わっちゃいけないんですよね。私たちがこれだけがんばっているんだ、だけで終わってはいけない。主人公は選手達なんですから(小川)」。

「人に頑張れという時は自分達も頑張っていなくてはいけないと思うんですね。だから私たちもそれなりの努力をしないと(一同)」。
スポーツにおける正しい応援とはなんだろう、彼女達は「応援」という側面からスポーツを必死に理解しようとしている。たった一言で、たった一瞬で、選手全員のはらわたにズシリと伝わる「言葉」はなかなか見つからない。その「言葉」を探し続け、彼女達は今日も早稲田のために、選手のために、そして自分のために応援し続ける。

・・・続く(制作中)






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#1 心(精神)

#2 芯(技術)

#3 進(前進)・・制作中





 
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