11月9日、早稲田大学米式蹴球部BIG BEARSの歴史に新しい1ページが刻み込まれた。
「クラッシュボウル初出場」と。
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写真:平田満氏
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クラッシュボウルとは関東大学選手権が名称変更されたもので、A、Bの2つに分かれる1部リーグから上位2チームずつが選ばれ、襷がけで準決勝を行い、決勝に勝つと、今度は関西のリーグ勝者との甲子園ボウルが待ち受ける。米式蹴球部の目標とする関東制覇とはこのクラッシュボウルに勝ち甲子園ボウル出場を果たすことを意味する。
昨年度の米式蹴球部はあと一歩のところで涙をのんだ。いや、むしろ地獄を見たといっても過言ではないかもしれない。リーグ戦4勝2敗で専修大学と並んだものの、当該対戦同士の結果によりあと一歩でクラッシュボウル進出を阻まれた。今年はその悔しさを晴らすべく練習に励んだ。駒場学園時代に関東を制覇し、鳴り物入りで入学したQB波木は3年目になりさらに円熟味を増してきている。この波木にFB神、TE泉、長岡を加えたラン攻撃にはもともと定評があったが、これにU19にも選ばれたWR吉田がパスターゲットとして急成長しパス攻撃の幅も広がった。何よりもOLユニットが確実に相手を防ぐのが何より心強い。ディフェンス陣も自慢のDLユニットは今年も顕在、LBの真ん中に主将の関谷が構え攻撃を遮断する。ここ2・3年で急速にチームとして力をつけているのが見て取れる。型にはまった時の強さは関東随一と言われる。「今年こそ」。悲願のクラッシュボウル出場、そして関東制覇へのシーズンが始まった。
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写真:平田満氏
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リーグ戦回顧
今期のリーグ戦、早稲田は31-0と慶応戦で完封勝ちと最高のスタートを切った(「31-0と慶應を完封。目標の関東制覇へ向け幸先の良い滑り出し」)。春先から掲げた「関東制覇」も夢ではない、と当時は思えた。しかし、2戦目の帝京大戦でいきなり躓く(「28-31と帝京にまさかの惜敗。関東制覇へ向け黄信号が灯る」)。もともとパス守備に課題があるといわれていた早稲田だが、この日も帝京ショットガンに対抗できない。攻撃でもパスインターセプトされたり、ファンブルでボウルを奪われるなど自滅とも言える内容で格下と思われた帝京に28-31と手痛い黒星を喫する。
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写真:平田満氏
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続く、筑波戦。帝京に負けてしまったというショックと昨年度負けている嫌な相手で心配されたが、48-6で完勝する(「仕切り直しの一番は48-6で筑波を一蹴。2勝1敗で前半戦を折り返し、後半戦へ」)。この日は完勝だったが、パスでのタッチダウンが2試合続けてゼロ。パス攻撃が課題になることは明白だった。
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