Day3―上級生が活躍、巻き返しへ
93回関東学生陸上競技対校選手権大会の3日目は横浜・日産スタジアムに場所を移して行われた。天候は晴れ、1週目に比べて気温、風ともに穏やかな中での戦いとなった。男子の2日目までの獲得点数は、初日の1点から着実に伸ばし、28点。この流れを引き継ぎたい3日目は上級生の活躍が目立ち、自己ベスト更新やトップエイト入りを果たす選手が続出した。
男子200mでは出場した竹下裕希(スポ4)、三原浩幸(スポ4)、木村賢太(スポ3)がそれぞれ20秒台の好タイムで予選を通過。三原は従来のベストを0.3秒も縮める力走で、最後の関カレにかける思いが垣間見えた。男子800mでは田中言(スポ3)と出口翔(スポ3)の3年生2人が奮起。余裕をもった走りで予選を突破すると、準決勝でも粘りを見せ、2人そろっての決勝進出を決めた。ゴール後は健闘を讃えあい喜ぶ姿も見え、昨年は準決勝で敗れた2人だけに嬉しい決勝進出となった。
女子400mHでは羽角彩恵(スポ4)が予選、準決勝ともに自己ベストを更新する快走。「最後の関カレなのでとにかく悔いの残らないように」と、100mHに続くトップエイト入りを決めた。男子400mHでは昨年4位の永野佑一(スポ4)が欠場も、中野直哉(スポ2)が奮闘。予選を組2着で通過すると、準決勝では自己ベストを更新。惜しくも決勝進出はならなかったが、予選敗退の昨年から確かな成長を見せた。
3日目の早稲田勢唯一の決勝種目となった3000mSCには高橋広夢(スポ4)が登場。最初で最後の関カレとなった高橋、冷静なレース運びで8分57秒60の自己ベストをマーク。3位の表彰台を射止めた。「トラック優勝を目指すチームに貢献したかった」という思いが実を結び、チームの士気をいっそう高めたに違いない。
Day4―逆転に燃える最終日 5月25日。関カレ最終日。優勝や表彰台をめぐる戦いが繰り広げられた。 最終日はハーフマラソンから始まった。田口大貴(スポ4)、佐藤淳(スポ2)、井戸浩貴(商2)、が登場した。1周目、先頭集団は10人以上で形成され、早稲田の3人もしっかり入る。2周目はやや縦長になるものの、先頭集団をキープ。4周目、田口と井戸は先頭集団をキープするが、佐藤が少し離れた。6周目、先頭集団は、田口雅也(東洋大4)、高久龍(東洋大4)、淀川弦太(東洋大4)、井上大仁(山学大4)の4人になった。第2集団から少し遅れ井戸が通過。田口は苦しそうな表情だったが、しっかりと前を見据えていた。井戸は3位集団をキープし、入賞を狙える位置まで粘る。そして結果は井戸が1時間05分13秒と7位で入賞した。
続いて男子200m準決勝。1組目、4レーンに木村賢太、7レーンに竹下裕希が登場。そして6レーンには予選1位通過の猶木雅文(中大3)が控えた。竹下は20秒81と自己ベストを更新する走りで2着。木村は予選と同タイムで4着。2組目7レーンの三原浩幸は後半の追い上げで21秒14で3着。これで3人とも見事決勝進出を果たした。そしていざ決勝。準決勝1位通過の猶木、続く2位の谷口耕太郎(中大2)らが迫るなか、8レーンの三原は表彰台争いに加わる走りをみせた。三原は4位と同タイムの20秒96でレースを終えた。このタイムは3位と0,02秒差という惜しい結果となった。
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女子400mH決勝には羽角彩恵が登場。後半の伸びとブレのない走りを見せ、胸一つの差でゴールに倒れ込んだ。59秒21と60秒を切り、自己ベストを更新。予選から着実に記録を上げ、見事優勝。この大会に対する強い想いが伝わってきた。 そして男子800m決勝には、8レーンに田中言、9レーンに出口翔が登場。スタート前に二人で腕をガチッと合わせ、お互い気合いを入れた。日本記録保持者である川元奨(日大4)は1周目からそのスピードで独走状態になり、53秒で通過。2周目、早稲田も追い上げを見せ、田中は表彰台争いにもつれ込んだ。残り50mは緊張の一瞬だった。惜しくも表彰台は逃したが、田中は1分49秒98で自己ベストを更新しての4位。出口は7位と、目標だった複数入賞を果たした。一方、川元は自身の持つ大会記録を塗り替えて優勝し、表彰台は日大が独占した。
男子5000m決勝には光延誠(スポ1)、三浦雅裕(スポ3)、山本修平(スポ4)が登場。序盤からキトニー(日大3)とオムワンバ(山学大3)が先頭に立ち、レースはハイペースで進み36名の大所帯は縦長になった。大六野秀畝(明大4)ら他校の実力者に混ざり山本もついて行き、1000mを2分42秒で入った。そして次の1000mを2分45秒で入り、選手どうし牽制しているようだった。10000m優勝の村山紘太(城西大4)も中盤から徐々に出てきて、山本は少し離れてしまった。次の1000mを2分45秒でペースは落ちることなく、先頭集団はキトニー、オムワンバ、大六野の3人にしぼられた。早稲田は差を広げられてしまうが懸命に前を追う。一方、先頭集団のオムワンバは他の2人を引き離し、そのまま圧勝。光延は後半の追い上げもあり、14分03秒の12位。三浦、山本は順位を落としてしまう結果になった。すべての1000mのラップが2分50秒を切るハイペースにつくことが出来ず、納得のいくレースではなかった。
最終種目の4×400mR決勝は混戦となった。予選同様、佐藤拓也(スポ3)-愛敬彰太郎(スポ2)‐木村賢太-加藤修也(スポ1)のオーダーで臨んだ早稲田は順調にバトンを渡していく。しかし、上位争いを演じていた3走の木村が渡す時、前を行く日大と接触しそうになり、よろけながら5位で加藤に託した。他校を脅かす走りを見せたが、4位と、惜しくも表彰台を逃した。
第93回関東インカレは好記録が続出したレベルの高い大会であったと、閉会式で講評されていが、早稲田勢もベストを更新する選手が多くみられた。一方で、早稲田大学は男子1部総合6位、トラック3位と目標には届かなかった。わずかな差に敗れるというシーンも見られ、悔しさの残る結果だろう。100周年という節目の今年、このままでは終われない。これからの逆襲に期待しよう。
※各選手の詳細記事は下記URLからご覧になれます。 女子400mH・羽角彩恵「最後の関カレ、力を尽くし手にした優勝」
男子3000mSC・高橋広夢「最後の関カレで堂々の3位!」
※選手によるコメントは下記URLよりご覧いただけます。
☆選手コメント 小林、羽角、高橋
※前半戦のレポートは下記URLよりご覧いただけます。
第93回関東インカレレポート(前半)
関連URL
早稲田大学競走部公式サイト
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