――関東大会が終わると引退となるわけですが、その後サッカーとどのように関わって行こうと思っていますか？
山田：僕はプロでサッカーを続けていこうと思っています。高卒でプロ入りした選手も多いですし、僕と同様に大卒でプロ入りする選手の中でも、僕以上に注目されている人は沢山います。でもそれによってプレッシャーはあまり感じていません。それ以前に本当に自分もプロでやれるんだという実感が今はまだないんで、プレッシャーも何もないですね。それよりも「本当に(自分がプロでやっちゃって)良いのかなぁ？」という感じです(笑)。
高井：僕は大学院が決まったんで、研究の方でサッカーと関わっていきたいと思っています。多分プレーは遊びでぐらいでしかやりません。それにサッカーだけじゃなくスポーツ全般が好きなんで、ア式での経験を生かしつつ、スポーツの発展に貢献できるような仕事に就ければと思っています。

――お二人にとって、ア式とはどのようなものですか？
山田：…難しい。高井、先に言って(笑)。
高井：1年の時はきつくて、大学ってこんなもんかと思っていたんですけど、やはりア式のOBからは色々な人がサッカー界に出ているし、(ア式というものが)物凄い大きいものだということは徐々に感じていきました。そういう中でサッカーをやってきたという経験は、多分他の人達じゃ絶対に経験できないことだと思います。やはりア式蹴球部は色んな意味で他の大学にはないチームだと思っているので、そこで4年間やってきたということは自分の中で凄いプラスになっていると思います。

――山田主将、そろそろ意見がまとまりましたか？
山田：いや、引退して初めて…。今はちょっと、終わってみないと分からないですね。でも、ア式での4年間で自分自身凄い成長できたと思うんで、それがプロ入団後、更にはその後においても、必ず糧になるとは思っています。

――最後に関東大会に向けての抱負と、チームのここを見て欲しいという点があったら教えて下さい。
山田：勝ちます、最後まで。見所は、サブにも入れず、ベンチで応援している部員達の姿を見て欲しいですね。
高井：この為に一年間やってきたんで、勝つしかないです。見所は、一応早稲田の代表なんで、その一人一人を見て欲しいと。一人一人が胸を張って、ア式の、更には早稲田の代表なんだと言える選手ですから。

　今回の取材で印象に残ったことは、関東大会を直前に控えている二人に全く気負いというものが感じられず、むしろ余裕や自信といったものが二人の言動から滲み出ていたということだ。それは、この1年間、関東大会の為にやれることはやってきたという裏付けがしっかりあるからこその自信なのであろう。二人にとっては、この関東大会が学生生活最後の大会となる。歓喜や屈辱、そして摩擦や苦悩・・・。4年間のア式での一言では語り尽くせない経験の集大成として、関東大会では自らの力を最大限に発揮し、ぜひ優勝を目指して欲しいと思うのは、きっと私だけではないだろう。11月3日、第一回戦として神奈川大学戦が開催される。今回の記事を読んでア式蹴球部に興味を持った方は、ぜひ会場まで足を運び、彼らの勇姿を見届けて欲しい。

※次ページには関東サッカー大会のガイドを掲載しております。

ア式蹴球部特集第1弾 徳永悠平選手インタビューはこちらに。

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