2012年1月2、3日に行われる箱根駅伝の各校区間エントリーが12月29日に発表された。
今大会早稲田の1区を任されたのは、大迫傑(スポ2)。前回大会も同区間を走り、後続に1分近い大きな差をつけ区間賞を獲得した大迫。箱根最大の難関である5区までにできるだけ多くの貯金を作るためにも、大迫には前回大会と同様に後続を引き離す走りが期待される。しかし、他校からも宇野(東洋大)、撹上(駒澤大)などの有力者が集まっており、前回以上に大迫へのマークも強くなるだろう。大迫にはできるだけ多くのリードを作ることが期待されるが、それだけに惑わされることなく、リラックスした走りで実力を発揮して欲しい。
また、花の2区には二年連続で平賀翔太(基理3)が起用された。今年も村澤(東海大)、出岐(青学大)、村山(駒澤大)など各校のエース級が集結するタフな区間だが、チーム一の安定感を誇る平賀ならしっかりと区間上位の走りが期待できるだろう。前回の経験を活かした冷静なレース運びで2区のポイントである中盤の権太坂とラスト3kmの上り坂を攻略し、チームの勢いを更に加速させてほしい。
今や2区と並んで重要区間に挙げられる3区には、矢澤曜(教4)が登場。前回大会もこの区間を任され安定した走りを見せた矢澤。油布(駒澤大)など他校の有力選手もこの区間にエントリーされているが、1年時から全ての駅伝に出場してきた経験と実績を活かし、最上級生としての意地の走りで優勝を争うライバル達との差を広げてくれることを期待したい。
続く大会最短区間の4区に選ばれたのは、1年次に同区間で区間賞を獲得した三田裕介(スポ4)。前回の箱根以降、駅伝で安定した成績収めチームの支柱となっている三田。4区は往路のつなぎ区間ではあるが、次の5区に向けて貯金を稼ぐための重要区間である。4区で区間賞を取った経験のある三田ならば適任と言えるのではないだろうか。1年次の再現となるような快走で、往路の最終区間5区へと良い流れを作って欲しい。
そして、箱根最大の難関・山上りの5区にはルーキー山本修平(スポ1)が起用された。11月の全日本では1区・区間12位と苦杯をなめた山本だが、距離練習ではエース大迫にもついていける粘り強さを持っている。今大会もこの5区には過去3年連続で区間賞を獲得している『山の神』東洋大・柏原がエントリーされており、後方から一気に追い上げられることが予想されるが、周囲のペースに惑わせることなく、持ち前の粘り強い走りで芦ノ湖のゴールを目指してほしい。
1〜3区には前回大会と全く同じメンバーを配置した早稲田。前回と同様に、1区で首位に立ちそのまま先頭で流れに乗りたいところである。更に4区には実力者三田を配置したことから、ここで一気に後続を引き離しにかかる作戦が伺える。5区の山登りでは、4区までに作った貯金でなんとか我慢し、往路優勝またはトップから1分以内の位置で終えるレース展開が望まれる。
復路のスタートとなる山下りの6区には、西城裕尭(スポ3)が選ばれた。これまで駅伝出場の機会はなかったが、山下りの練習は継続して行ってきたという西城。2位以降のスタートとなった場合は、前回同様この6区で先頭に追いつくか、できる限り先頭との差を縮める走りを期待したい。
続く7区は佐々木寛文(スポ3)が努める。チームに欠かすことのできない実力者ながらいまだ箱根での経験がない佐々木。全日本以降どの程度調子を上げてきたかは不明だが、駅伝では安定してチームに貢献してきた佐々木ならば、つなぎの7区で良い流れを呼び込んでくれるだろう。上野(駒沢大)などの有力選手もこの区間にエントリーしているが、区間賞の走りを期待したい。
8区には、名門佐久長聖高校から今年入学した臼田稔宏(基理1)がエントリーされた。11月の上尾ハーフでは65分台の自己ベストを記録し好調をアピールした臼田だが、この区間では現時点で補欠にまわっている志方文典(スポ2)などの起用が濃厚か。他校からはさほどの有力選手は見当たらない区間だが、ここで残り二区間への良い流れを作り出して欲しい。
復路のエース区間・9区には前田悠基(スポ3)が起用された。前回大会では4区で区間2位の走りをし、チームに勢いをもたらした。例年は9区までに優勝争いの趨勢が見えることが多いが、前回と同様に今大会も勝負がアンカーにまでもつれることが考えられる。直近の集中練習では好調を示していたという前田には、追う展開であれ逃げる展開であれ、ここで勝利に持ち込む走りを期待したい。
最終10区には、萩原涼(人3)がエントリーされた。前回も10区にエントリーされたが当日変更で出走はならなかった。今回も補欠には志方他、最上級生の大串顕史(スポ4)や全日本で大学駅伝デビューを果たした市川宗一朗(スポ3)、またようやく故障からの復帰を果たした主将八木勇樹(スポ4)などを控えている。萩原も箱根経験者だけに誰が走るかは当日までわからないが、焦ることなく最後まで堅実な走りを見せてもらいたい。
往路にしっかり計算できる選手を多く投入した早稲田は、復路では選手の状態や往路の結果次第で大幅なエントリー変更が考えられる。優勝争いのライバルとなる可能性の高い東洋大、駒澤大は復路にも力のある選手が控えており、早稲田は誰が走ったとしても持てる力を最大限に発揮することが必須となるだろう。復路の展開としては、スタートが追う展開であれば早々に先頭に追いつき優勝争いに持ち込むこと、逃げる展開であれば各区間でリードを広げそのままゴールすることが期待される。
2年連続の箱根制覇に向けてひとつにまとまった早稲田。前回大会では佐々木、志方などの有力選手が欠場を余儀なくされたが、チームの結束力と4年生の奮起により優勝を果たした。今大会も故障明けの八木などを加味すると全員が万全の状態とは言えないが、ラストイヤーとなる4年生を中心に「絆」を深めた今のチームの結束力は強く、個々がしっかり自分の走りをすれば自ずと結果はついてくると言えるだろう。出場する10人はもちろん、部員全員が一丸となり、いざ悲願の頂点へ。1月3日の大手町に早稲田の選手達の笑顔が広がることを期待したい。
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