往路では日体大から離されること2分35秒の2位でゴールした早稲田。レースは1区の前田悠貴(スポ4)がまさかの17位スタートと波乱の幕開けとなった。続く2区平賀翔太(基理4)をはじめ各区間で奮闘し、最終的に2位まで順位を上げ出遅れを取り戻した。予選会から出場した日体大が制すという予想外の結果となった往路。そして向かえた復路、早稲田は去年同様2位でのスタート、その4秒後には東洋大学。総合優勝への望みは復路の選手に託された。
復路のスタートとなる山下りの6区を任されたのは、今回が大学駅伝初出走となった相原将仁(教3)。当日の区間エントリーで去年の山下り西城裕尭(スポ4)から変更された相原は、1位日体大がスタートした2分35秒後、自身初となる箱根路へと飛び出した。スタートしてすぐ、4秒後から追ってきた東洋市川にかわされ、その後離されながらも自分のペースをしっかり刻んでいった相原だが、後ろから迫る明治の影も次第に大きくなる。そして中継所まで残り1kmでついに明治にかわされ4位に後退。トップとのタイム差3分19秒、区間12位の走りで次に繋いだ。
近年各校が力のある選手を起用し、重要度が増している7区。早稲田もここに前回大会8区で区間2位と好走した志方文典(スポ3)を起用。しかし前を行く3位明治と11秒差の4位で襷を受けた志方だったが、その差は徐々に開いていく。復路は箱根駅伝初出場の選手が5人中4人を占めた早稲田。唯一の経験者志方の区間でなんとか前との差を詰めたい早稲田であったが、志方のペースはなかなか上がらない。苦しそうな表情を浮かべながらも単独4位をひた走る志方、そのまま順位を守りきったがトップの日体大との差は4分51秒まで開いた。
志方から襷を受けたのは8区柳利幸(教1)。陸上歴2年という異例の経歴を持つ柳だが、今回1年生で唯一の箱根出場。4位で襷を貰ってから落ち着いた表情で走りだすが、なかなか前との差は縮まらない。前の選手との差は開き、単独走をせざるを得ない状況の中、柳は16km付近の遊行寺の坂、残り1kmの2つの上り坂を越え、そのまま4位で中継所へ。初の箱根駅伝を走り切った。
復路のエース区間と呼ばれる9区。早稲田はここに3年目にして悲願の箱根駅伝初出場となる田中鴻佑(法3)を起用。今回が大学駅伝デビュー戦となる田中、今季着々と力をつけ、調子も上向きであることを買われ、有力選手が多く集う9区へ抜擢された。中継所では4位で襷を受けた田中だったが、次第に後ろを走る5位駒澤大上野の姿が大きくなってくる。10km付近でついに駒澤に追いつかれた田中はなんとかついていこうと踏ん張るが、1分23秒もの差を追い上げてきた駒澤の勢いは衰えない。14km付近では完全に離され、早稲田は5位に後退。しかしその後もなんとか最後まで押していった田中は、中継所まで残り700mのところで失速していた明治を捕らえる。そのまま抜き去り4位でアンカーへと繋いだ。
最終区を任されたのはこちらも箱根初出場となった田口大貴(スポ2)。トップと7分40秒差で襷を受けた田口は勢いよく中継所を飛び出した。そして6km地点で後ろから27秒差でスタートした帝京大に追いつかれそのまま並走状態に。田口は帝京大と4位を争うが、なかなか引き離すことはできない。長く並走状態が続き、両者スパートするタイミングを覗いペースは上がらない。そしてついに最後の大手町、ゴールまでの直線残り100mで帝京大がラストスパート。田口もそれに反応し、負けじと懸命にスパートをかけるが一歩及ばず。4位帝京に続き5位でのフィニッシュとなった。
来季に向けて
現状で組めるベストメンバーで挑んだと言っても過言ではない今年の箱根。その布陣をもってしても総合優勝までは及ばなかった。今大会で優勝した日体大は昨年19位でシードを逃し、今回は予選会からの出場。その悔しい思いを糧にして、3年生キャプテン服部を中心に奮起したチームからは、優勝への一際強い気持ちが感じられた。 往路では強風、砂風に見舞われる場面もあり、厳しい条件下で行われた今大会。5区で2校が途中棄権という波乱も起こった。そうした悪条件の中でも力を出しきることが求められた今回の箱根駅伝は、各大学の"強さ"を浮き彫りにする結果となった。
そして、今回5位に終わった早稲田。優勝にはなにが足らなかったのかを考え、次へとつなげていかなくてはならない。レース後の記者会見で渡辺駅伝監督が声を詰まらせながら口にした「早稲田は勝たないといけない」という言葉。早稲田である以上、選手たちは優勝を目指して進んでいくのだ。 今回走った10名の選手のうち7名が残る来年の箱根。今回得た収穫・課題は必ずや来年に繋がるだろう。負けてしまった悔しさと「次こそは」という強い想いを胸に、選手たちは再び走りだす。
2013年第89回東京箱根間往復駅伝競走
復路個人記録
区間 |
氏名 |
学年 |
学部 |
出身 |
個人記録 |
区間順位 |
チーム順位 |
6区 |
相原将仁 |
3 |
教育 |
東京・早稲田実業 |
1.00.17 |
12 |
4 |
7区 |
志方文典 |
3 |
スポ科 |
兵庫・西脇工業 |
1.06.25 |
11 |
4 |
8区 |
柳 利幸 |
1 |
教育 |
埼玉・早稲田本庄 |
1.07.49 |
14 |
4 |
9区 |
田中鴻佑 |
3 |
法 |
京都・洛南 |
1.12.29 |
12 |
4 |
10区 |
田口大貴 |
2 |
スポ科 |
秋田・秋田 |
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4 |
5 |
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計 |
5.38.49 |
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5(復路順位8) |
※当日のエントリー変更:6区西城(スポ4)⇒相原(教3)
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