2012年は3大駅伝全てにおいて力を出し尽くせなかった早稲田。そんな早稲田が2013年1月2日午前8時、悲願の総合優勝に向けて走り出した。今年は各校の実力が拮抗し、混戦でチームの総合力が試される結果となった。
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初のスターターとなった前田。健闘したものの、悔しさの残る結果となった。 |
波乱の幕開け(1区)
早稲田の1区は箱根駅伝2年連続区間2位と安定感に定評がある前田悠貴(スポ4)に託された。レースは序盤スローペースで進むものの、東洋大・田口が揺さぶりをかけて我慢のレースが続く。しかし、前田は8km付近における明らかなペースの上昇に耐えられず、徐々に後退して16位となる。一方、先頭集団は11人の大集団を形成し、駆け引きしながら東洋、帝京、法政、明治の4チームに絞られた。そこからが見ものであった。田口はロングスパートで他チームを引き離し、トップで襷リレー。前田は東洋大と2分4差で青学大とほぼ同時に2区へつないだ。この1区、優勝候補とされた東洋大を除く全ての学校が下位に沈み、まさに下克上の様と化した。
巻き返しの2区、3区(2・3区)
華のエース区間2区を任されたのは平賀翔太(基理4)。各校のエースがそろうが、ここから平賀の怒涛の追い上げが始まる。まずは2.7km過ぎで14位争いの山梨学院大、帝京大、青学大、東農大に並ぶとそのまま並走。淡々と歩を進める。9.6km付近では神大、順大に追いつき、13位集団を形成。途中山梨学院大のオムワンバにかわされるが、平賀は積極的に集団を引っ張る。さらに権太坂で大東大、法政大、中大にも追いつき8人の10位集団に。その後、青学大・大谷がペースを上げて次第に縦長となっていく。最後平賀は振り切られたが、積極的な走りでトップと2分37秒差の区間6位とまずまずの結果を納めた。
3区でこの勢いを受け継いだのは絶対的エース大迫傑 (スポ3)。スタートしてまもなく注目の青学ルーキー・久保田を抜き去ると次々に他のチームを追い越す圧巻の走り。格の違いを早々に見せつける。しかし、ここで大迫を暴風が苦しめた。海岸線を走る選手たちに猛烈な勢いで襲い掛かり、左右に触れてしまうほどであった。しかし、そこは大迫。しっかりと地に足をつけて力強く中継所を目指す。途中15kmで同期のディーン元気(スポ3)からの給水の応援も受け、意地の走りにより3位で佐々木に襷を託す。エースの走りを見せた大迫は区間2位。区間賞にはわずかに及ばなかったが、間違いなく早稲田に流れを引き寄せた。
安定感を遺憾なく発揮した4区、5区(4、5区)
最短4区を走ったのは駅伝主将の佐々木寛文(スポ4)。始めは日体大との2位争いを繰り広げるも12km付近で置いていかれてしまう。しかし、そこは佐々木。粘りの走りで混戦に持ち込む。小田原中継所にトップで飛び込んできたのは東洋大に変わりはないが、早稲田は2分7秒差の3位で襷リレー。最後の駅伝で役割を全うし、襷を繋いだ。
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暴風も影響し、目標としていた区間賞にはあと一歩届かなかった山本。 |
往路最終区、いくつものドラマを生んだ5区に挑んだのは山本修平(スポ2)。箱根の山はどんなときでも選手達に試練を与えるが、今年も変わりはなかった。今年は寒さ以上に暴風が彼らを襲ったのである。山本もその風に苦しめられるが、徐々に前との差をつめて小涌園で日体大・服部とともに首位奪還を果たす。ここからは日体大との一騎打ち。両者一歩も譲らない走りが続く。しかし、この状況に変化が訪れたのは山を登り終えた15km過ぎ。芦ノ湖までの下りへのギアチェンジにうまく対応できずに服部に離されてしまう。ラスト苦しさで顔をゆがめる山本は3位東洋大に差をつめられるも逃げ切り、2位でゴールへ飛び込んだ。区間順位は3位。暴風の影響でタイムは平凡だが、山本の頑張りは明日のランナー達に受け継がれるだろう。早稲田の往路記録は5時間42分51秒。優勝は日体大、26年ぶりの往路優勝を遂げた。
復路に向けて
往路へ主力をつぎ込み、逃げ切りを図りたかった早稲田だが、序盤の出遅れが響いて2位フィニッシュとなった。明日の復路は東洋大の戦力が抜きん出ているのは明らかだ。また、日体大には3大エースの一角である矢野が残されており、往路同様、総合優勝はどの学校が掴み取るのか分からない。しかし、早稲田も負けてはいない。調子の上がってきた志方、期待のルーキー柳、また、去年10区を走っている市川など走り負けない戦力を持っている。復路では一人ひとりが自分の力を最大限に発揮して積極的な走りを期待したい。そして、悲願の総合優勝で華々しく2013年をスタートさせたいところだ。
2013年第89回東京箱根間往復駅伝競走
往路個人記録
区間 |
氏名 |
学年 |
学部 |
出身 |
個人記録 |
区間順位 |
チーム順位 |
1区 |
前田悠貴 |
4 |
スポ科 |
宮崎・小林 |
1.05.36 |
17 |
17 |
2区 |
平賀翔太 |
4 |
基理工 |
長野・佐久長聖 |
1.11.02 |
6 |
12 |
3区 |
大迫傑 |
3 |
スポ科 |
東京・佐久長聖 |
1.04.44 |
2 |
3 |
4区 |
佐々木寛文 |
4 |
スポ科 |
千葉・佐久長聖 |
58.36 |
8 |
3 |
5区 |
山本修平 |
2 |
スポ科 |
愛知・時習館 |
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3 |
2 |
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計 |
5.42.50 |
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2 |
※当日のエントリー変更:1区三浦(スポ1)⇒前田(スポ4)、3区神内(スポ4)⇒大迫(スポ3)
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