往路をトップから9分4秒差の6位で終えた早稲田。1年生から4年生まで、現状組めるベストメンバーで復路に臨んだ。
復路スタートとなる山下りの6区は三浦雅裕(スポ3)。昨年区間2位と好走した三浦は序盤から軽快に飛ばし、期待通りの走りを見せる。5キロ過ぎに中央学院をかわし順位を5位に上げると、そのまま前との差を縮め、走り終えてみれば昨年の自己記録をちょうど20秒縮める58分31秒で区間賞獲得の活躍。総合順位の追い上げに期待の持てる位置で続くメンバー4人に託した。
7区を任されたのは2度目の箱根となった武田凜太郎(スポ2)。活躍した昨年とは一転、今季は故障に苦しんだ。復活レースとなった今回、5位で襷をもらった武田は前をいく3位駒澤、4位東洋とおよそ50秒差で襷をうける。しかし前で競う服部弾馬(東洋大2
)、西山雄介(駒大2)との差はなかなか縮まらず。終始単独走で順位はそのまま、区間5位の走りでまとめた。
8区は今大会早稲田唯一の1年生、安井雄一(スポ1)が務めた。大学駅伝デビューとなった安井は、序盤単独5位でレースを進め、徐々に前をいく4位明大との差を詰めていく。ラスト1キロで明大・牟田祐樹(明大3)に追いついた安井はしばし競り合いを見せたが、最後には力強い走りで牟田を振り切り、順位をひとつ上げ4位で9区へと襷をつないだ。
復路のエース区間、9区には今大会で3度目の箱根となる柳利幸(教育3)が起用された。過去2回と同様復路を任された柳は勢いよくスタートし、序盤から木村慎(明大)と共に前を追っていく。17キロ地点まで木村と並走するも、その後は木村のペースについていけず。そのまま置いていかれるもなんとかレースをまとめ、区間4位で走り切り、勝負はアンカーへと託した。
最終10区は今年1年間副将としてチームをまとめてきた4年生、田口大貴(スポ4)が務めた。5位で襷をもらった時点で前を行く3位明治、4位東洋とはおよそ30秒差。田口は懸命に前を追うもその差はなかなか縮まらず。結局順位を上げることはできず、早稲田はそのまま総合5位でレースを終えた。
天候不良で中止となった出雲、シード落ちを喫した全日本を経て迎えた今大会。箱根に懸ける選手たちの思いには並々ならぬものがあったに違いない。しかし優勝を目指していたチームは総合で5位に終わり、10時間49分27秒という好記録で優勝した青山学院からは総合記録で10分以上の差をつけられる結果に。優勝した青山学院は5区で快走した神野大地を含め区間賞5名、残りの選手も区間上位で走り抜き、他チームにつけ入る隙を与えなかった。
今大会をもって、12年間早稲田の指揮をとった渡辺康幸駅伝監督は退任。「最後に渡辺監督を胴上げしたい」という選手たちの願いが叶うことはなかった。今大会で強く感じられたように、箱根駅伝のレベルは年々上がりつつあり、来年の戦いもさらに厳しいものとなることが予想される。新指導者のもと、新たな早稲田の誕生を期待したい。
2015年第91回東京箱根間往復駅伝競走
復路個人記録
区間 |
氏名 |
学年 |
学部 |
出身 |
個人記録 |
区間順位 |
チーム順位 |
6区 |
三浦雅裕 |
3 |
スポ科 |
兵庫・西脇工業 |
58.31 |
1 |
5 |
7区 |
武田凜太郎 |
2 |
スポ科 |
東京・早稲田実業 |
1.04.09 |
5 |
5 |
8区 |
安井雄一 |
1 |
スポ科 |
千葉・市立船橋 |
1.06.05 |
7 |
4 |
9区 |
柳利幸 |
3 |
教育 |
埼玉・早大本庄 |
1.09.32 |
4 |
5 |
10区 |
田口大貴 |
4 |
スポ科 |
秋田・秋田 |
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7 |
5 |
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計 |
5.29.13 |
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5(復路順位3) |
※当日のエントリー変更:9区柄本(スポ2)⇒柳(教育3)、10区佐藤(スポ2)⇒田口(スポ4)
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