2日の往路をトップから8分22秒差の5位で終えた早稲田。ひとつでも前を追うべく、復路の戦いに臨んだ。

	順位を一つ上げる力走を見せた佐藤

7区も当日のエントリー変更があり、光延誠(スポ2)が登場。昨年度は16人のエントリーメンバーに入りながらも出走が叶わず、悔しさを抱えて練習をしてきた。光延は序盤快調な走りを見せ、前を行く日体大との差を詰めていった。しかし15キロ付近で後ろから追い上げてきた中央学院大にかわされてしまう。最後は苦しい走りとなり、早稲田は6番手で襷リレー。4番手で繋いだ日体大と、5番手で繋いだ中央学院は復路一斉スタートのため、順位は4位をキープした。8区終了時でトップとは13分19秒の差がつき、光延は区間14位とほろ苦い箱根デビューとなった。

	4年連続出場を果たした柳

　8区は柳利幸(教4)が任された。早稲田で唯一4年連続の出走となった柳、8区は1年時に経験して以来2度目の登場であった。平塚中継所で早稲田の9秒後に襷リレーした明治大学が追いついてきたが、柳は落ち着いて並走。そのままリズムをつくりながら前との差をじわじわと詰めていった。そして8区の難所である遊行寺坂で明治を引き離し、そのまま一気に差をつける。区間3位タイの力走でチームの反撃体制を整えた。先頭では青山学院大学が7区に続き連続区間賞。優勝へと盤石の態勢を築いた。

復路のエース区間である9区には井戸浩貴(商3)。3年連続の箱根路で、「過去2年は失敗しているので、今年は結果にこだわりたい」と話していた井戸。6番手で襷を受けると、最初から軽快な走りを見せる。権太坂(7.7キロ)を全体2番目のタイムで通過すると、14キロ付近では戸塚中継所で57秒の差があった日体大をかわし、走行順5番手に浮上。さらに20キロ付近では中央学院にも抜き去り、4番手で鶴見中継所へと飛び込んだ。井戸は1時間9分47秒で見事区間賞を獲得。宣言通りの結果を示した。インタビューでは、「とにかく前を追うことを考えた。三度目の正直の走りが出来て、素直に嬉しい」と笑顔を見せた。

	見事区間賞を獲得した井戸

最終10区を任されたのは藤原滋記(スポ2)。長い距離に自信を持っており、10区には意欲を見せていた。鶴見中継所時点で、すぐ前を走る駒澤大学とは4分20秒差。目標の見えない一人旅となったが、落ち着いてペースを刻んだ。藤原は全体で5番目のタイムで蒲田を通過。駒澤大との差を徐々に詰め、また後続との差は開き、しっかりと仕事を果たした。 13時27分、青山学院大学が総合優勝のゴール。10時間53分25秒で二連覇を達成した。青学学院は1区から一度も首位を譲らず、強さを見せつけての完全優勝だった。2位は東洋大学、3位に駒澤大学が入り、早稲田は4位で大手町に帰ってきた。早稲田の記録は11時間7分54秒。藤原は区間6位の走りで、復路は5時間33分37秒で5位という結果だった。

　相楽豊新監督のもと、総合優勝を目指して挑んだ早稲田大学。総合4位という結果は決して満足のできるものではなかっただろう。しかし今年度の出雲駅伝、全日本大学駅伝、そして箱根駅伝を振り返ると、試合を重ねるごとにチームが大きく成長していったように感じられる。新しい早稲田大学は、間違いなく優勝を期待させるチームだった。今年叶わなかった総合優勝は、次に期待したい。来年度の戦いも熾烈を極めるだろう。主力を担った4年生は抜けるが、この1年培ってきたチームの力を土台に、さらなる飛躍を遂げて欲しい。

2016年第92回東京箱根間往復駅伝競走 復路個人記録

※当日のエントリー変更
6区三浦(スポ4)⇒佐藤(スポ3)、7区前野(スポ4)⇒光延(スポ2)
8区石田(商2)⇒柳(教育4)、9区三井(スポ4)⇒井戸(商3)