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 本人曰く『ピョンピョン』とした走りが特徴の本多浩隆(スポ3)。今季は活躍の目立つ4年生や同学年の駒野亮太(教3)の陰に隠れるシーズンとなったが、11月の記録会で1万mの自己記録を更新。箱根に向けて上昇気流に乗っている一人に話を聞いた。




藤森選手。
 

本多浩隆プロフィール
早稲田大学スポーツ科学部3年
下松高・山口
出身
1万メートル自己ベスト 29分12秒71

――今シーズンを振り返って、どんなシーズンでしたか?
  …よくないシーズンでしたね。春、六大学対抗の5000mで、1位争いの結果が決まるっていう時に自分が出て最悪な走りで、早稲田が連覇できなかったんです。それからずっと夏まで悪くて。チーム状況もあんまり良くなくて、全日本大学駅伝の予選会も落ちて。夏…夏合宿で「リセット」みたいな感じで、みんないろいろ考えて練習しだしたというか、自覚が出てきたって感じですかね。

――シーズン前半、調子が悪かった原因は?
 高校の時怪我してから、自分の本当の走りがわからないっていうか、ずっと微妙な感じで走ってて。それが上手くいく時は走れるんですけど、なんかどうも上手く走れないとか、そういうのがあって…それがまぁどんぴしゃで悪いって感じでした。

――夏合宿で自覚が出てきたというのは?
 みんな焦ってるっていうか、早稲田やばいって感じで。まぁ竹澤(健介)が夏合宿来なかった分、みんな今のうちに強くなってやろうって、そういうのがあったんですかね。

――やはり竹澤選手は意識する存在ですか?
 そうですね(笑)。あいつ上にも結構厳しいんで。遠まわしに「もっとしっかりしてくださいよ」ぐらいな。むしろ自分が指導されてるというか(笑)。だけど竹澤の存在は大きいですよね。竹澤がいたからチームが変わったってのもあるかもしれないですし。あいつがいるから締まるっていうか。

――9月の日体大記録会でも記録が伸び悩んでいるようでしたが、夏以降はどうでしたか?
 そうですね、その時もまだ上手く走れないのがずっとあって。どうしたら走れるんだろうっていうのをずっと考えて、動きとか変えて。それで、前の日体大記録会の前に(中距離ブロックの)下平(芳弘)に、ちょっと走りを見て直してもらったら、良い感じで走れて。

――11月の日体大記録会の前ですか?
 はい。前々日ですね。それで、もうはまったって感じですね。「うわ、これいいかも」みたいな感じで。

予選会での模様。
 
駅伝は「調子を揃えた者勝ち!」

――普段からチームメイトに相談などはするんですか?
 はい。下平はやっぱり良い存在ですね。本当の事をずばっと言ってくれるんで。

――本多さんから見て、チームを引っ張る4年生はどんな存在ですか?
 チーム全体的に見て、4年生がやっぱりしっかりしているというのはあります…まぁ自分的には4年生に負けたくないっていうのも(笑)。でも4年生抜けたらその穴は結構でっかいと思いますね。3年生はもっとしっかりしないといけないってのはつくづく感じます。

――3年生はしっかりしてないんですか?
 3年生がもっとしっかりしないと、4年生が引っ張ってくれてる意味がないんですけど、上手くいってないですよね。自分は強く言えないタイプ…本当は言わないといけないんですけど。その辺が悩みです。来年は駒野(亮太)が主将なんですけど、自分はやっぱり走りで引っ張っていきたいっていうのが大きいですね。

――では箱根に向けて、今の状態は?(インタビューが行われたのは12月6日。)
 かなり良い…大学入って一番良いと思いますよ!…と思いますよ!(笑)。

――走りたい区間はありますか?
 ないですね。監督には「おまえはどこでもいける準備しとけ」って言われてるんで。チーム内でも4、5番辺りなんで、固定区間とかもないですし。どこにいっても安定した走りをしなきゃいけない…。そういう感じはわかってるんで。

――では最後に応援している方にメッセージをお願いします。
 本当にいつもありがとうございます。やっぱり自分ができる恩返しって言ったら走りしかないんで、自分の走りを見て、元気になってもらえたら嬉しいと思いますね。

 

 予選会などでも、本多は「それなり」の走りは見せていた。しかし「本当の自分はこんなはずじゃない」「もっと上へ行きたい」と本人は言う。「箱根では爆発した走りよりも安定した走りがもとめられるかなぁ。」と控えめに話していたが、自分の走りができないもどかしさから開放された今こそ、彼本来の走りの輝きを見る事ができるのではないだろうか。

特集
箱根駅伝特集「NEW YEAR」
 第1回 本多浩隆選手インタビュー
 第2回 宮城普邦選手インタビュー
 第3回 竹澤健介選手インタビュー

関連URL
早大競走部公式サイト
第83回箱根駅伝公式サイト

 

(TEXT=神崎風子、PHOTO=横山真弓)

 

 


 
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