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 これまでのインタビューで宮城、本多の二人共が必ず口にしたのは竹澤健介(スポ2)の名前。昨年度の箱根ではエースとして2区を任された竹澤であったが、区間11位という結果。しかし今季は世界クロカン、国際千葉駅伝で世界を相手に力走を見せ、夏のヨーロッパ遠征では5000mで日本歴代3位の記録をたたき出した。今回こそエースの走りに期待がかかる竹澤に、今季を振り返ってもらった。




藤森選手。
 

竹澤健介プロフィール
早稲田大学スポーツ科学部2年
報徳学園高・兵庫
出身
1万メートル自己ベスト 28分19秒22

――昨年度の箱根が終わった後、すぐに次に向けて気持ちの切り替えはできましたか?
  箱根は、自分でもだめだったっていうのは頭の中では理解できてたので。はじめはやっぱり苦しんだ部分もありましたけど、悩んでも仕方がないという気持ちで、次に向かってっていう気持ちが持てるようになってきました。

――では3月の世界クロカンでは、モチベーションは上がっていたんですね。
 そうですね。だけど目の前の一つ一つの試合をしっかりこなしていくって事を、今年1番の目標にしてましたので、特に気持ちを高く持ったというわけではなく、一つ一つの事をおろそかにせずに、集中してやっていく事を心がけましたね。

――その後は関カレ、全カレ、全日本大学駅伝予選会と試合が続きましたが。
 関カレも全カレも、ある程度持っていけたので、その疲れが溜まってた部分もあるんですけど、チームとして戦わないといけない時(全日本大学駅伝予選会)にボロが出るっていうのは、自分のすごく甘い所だと思います。

――夏はチームと離れてヨーロッパ遠征に行かれましたが、そこで吸収した事は?
 まぁレースはもちろん頑張らないといけないんですけど、どちらかと言えば、海外での生活とかの方が自分にはすごく勉強になって。食生活も違ってすごく苦労したので、そういう部分が一番、今はプラスになってるかなぁと思います。

――逆に、夏合宿でチームに合流する事ができず、マイナスな面はありませんでしかた?
 マイナスな部分ももちろん生まれたと思いますけど、それ以上にプラスの部分が大きいと思ってるので、僕はプラスだったと思います。

――今年は海外の選手とも話す機会がたくさんあったと思いますが、どうでしたか?
 ヨーロッパで片言ですけど(笑)話をして、視野が広がったっていうのがありますね。ケニア人留学生とかは、「日本人は気持ちが弱いからだめだ」みたいな(笑)、普段面と向かって言ってくれないような事を言ってくれるので。早稲田の批判もすごくしてくれるし。そういう部分は勉強になりますし、見習わないといけないな…。

予選会での模様。
 
試合前の朝は「和食が1番」な竹澤選手

――10月の箱根予選会では、故障を抱えながらも、自分から監督に出場したいと言ったと聞きましたが。
 そうですね、でももう出るって決めてたので、何が何でも出ないといけないと思いますし。自分が決めた事はしっかりやろうと思ってました。

――逆に故障を抱えての出場で、不安はなかったんですか?
 まぁもちろんちゃんと走るのがベストでしょうけど、走れないんで。そういう気持ちよりも、今自分の出来る事を一生懸命やるって事の方が、自分では強かったですね。

――この1年間を通して、どんな所が去年と比べて一番成長したと思いますか?
 精神的に強くなれたかなと思います。1年間いろいろあって、良い時も悪い時もあったので、そういう経験は1年生の時よりも中身が濃いものだったと思います。ヨーロッパで学んだ食生活であるとか、そういう所で動じなくなったっていうのも、自分にとっては一番の成長です。

――今年の早稲田のチームを竹澤さんから見るとどうですか?
 4年生がすごくしっかりしているので、僕はただ走ってるだけっていう感じです。僕自身も走りで還元するのがベストだと思ってます。

――では箱根での目標をお願いします。
 そうですね、一生懸命走れれば良いです。はい。一生懸命走って結果が良ければ嬉しいですけど。

 

 竹澤の華やかな活躍を見ているこちらは、いつも彼に過度な期待をかけてしまいがちだ。しかし彼自身は決して求めすぎる事はしない。まず目の前の事を一つ一つ着実にこなしていく。これが彼のスタンスなのだ。今目の前に迎えるのは箱根駅伝。ここでまた一つ竹澤自身が未来へのステップを上がれるよう、見守りたい。

特集
箱根駅伝特集「NEW YEAR」
 第1回 本多浩隆選手インタビュー
 第2回 宮城普邦選手インタビュー
 第3回 竹澤健介選手インタビュー

関連URL
早大競走部公式サイト
第83回箱根駅伝公式サイト

 

(TEXT=神崎風子、PHOTO=横山真弓)

 

 


 
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