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 今年の早稲田は3人の4年生が土台となりチームを力強く引っ張っている。その中でも最も成長著しい注目株が、沖縄出身・第一文学部所属の宮城普邦ではないだろうか。最後の箱根に向かう宮城に、これまでの成長を振り返ってもらった。




藤森選手。
 

宮城普邦プロフィール
早稲田大学第一文学部4年
沖縄商学高・沖縄
出身
1万メートル自己ベスト 28分54秒80

――今シーズンを振り返って、どんなシーズンだったでしょうか?
  そうですね、やっぱり全日本(大学駅伝予選会)落ちてしまったのがすごく悔しいです。このチームでできる駅伝が箱根で最初で最後になってしまうのが、ちょっと残念だったと思います。

――宮城さん個人では、京都シティーハーフ(3月)や六大学対抗(4月)で自己ベストを更新され、良いスタートがきれたようですが。
 記録はもともとが遅いんで、自己ベストは出さなきゃいけないってわかってました。年明けからずっと練習を継続して積んでたんで、ベストが出るとは思ってました。

――夏以降、9月の日体大記録会で1万メートル28分台突入など、上り調子ですね。
 やっぱり夏にしっかり練習できてれば、それに見合うだけの結果はついてくるって、この3年間でよくわかっているので。その点、夏に去年以上の練習ができたので、去年以上の結果は出るな、とは思ってました。

――箱根予選会ではチーム内3位でしたが、この結果は満足できるものでしたか?
 そうですね。でも竹澤(健介)が走れない状況で、自分自身チームを引っ張らなきゃいけなかったんですけど、チーム内で1位になれなかったんで。それが4年生じゃなくて、3年生の駒野(亮太)になってしまった事が、すごく悔しいです。

――やはりチーム内1位が目標だったんですね。
 チーム内で1番というよりは、(全体で)個人8位ではなくて、個人1位とか、もっと上の位置を狙ってたんで。

予選会での模様。
 
「山以外ならどこでも走る準備ができます!」

――竹澤選手の故障はやはり気になりましたか?
 今まで負担かけてしまってた部分が、こういう形で出てしまったんで。まぁ竹澤に頼らなくても、しっかり通過できるようなチームにしないといけなかったんで、逆に言えば良いチャンスだったかなとは思います。

――沖縄出身の長距離選手は珍しいですが、沖縄での様子を教えてください。
 出る試合も限られてますし、走る場所も少ないです。まぁ暖かいんで年中走れはするんですけど、逆に暑すぎたり。長距離するには厳しい環境でしたね。全国大会に出ても、47都道府県中最下位とかそんな感じで。

――そこから箱根で走る選手になるには、相当な努力が必要だと思うんですが。
 そうですね、でも本当に与えられた事をやっただけなんで。こっち(大学)はすごく環境も良いし、サポートもしっかりしてますし。なので特に高校から何かを変えたって事ではないですね。周りが速い中で、本当にもう(余計な事は)何も考えずに、強くなる事だけを考えてました。

――では箱根に向けて。10月の早大記録会以降、試合に出場されていない事が気になるのですが、現在の状態は?(インタビューが行われたのは12月6日。)
 それは、もう練習積もうという形だったんで。多少疲労とかも出てきてるんですけど、今はしっかり練習積めてるとは思います。

――今のチームの状態としてはどうですか?
 やっぱり層が薄いっていうのがどうしても変わっていないので、この弱点をこれからどう克服していくかが課題だと思います。チームの雰囲気として、風邪や故障があったら、戦えないって事は、去年でわかっているんで。

――目標を教えてください。
 チームではずっと3位以内を目標にしてきましたんで、チームで3位以内に入る事と、個人的にはどこの区間でも走れるように準備はしていますので、どの区間でも区間賞、または区間賞に近い位置で走りたいと思ってます。

 

 大学入学当時は5000mを15分台で走った事もあった宮城。しかし今やチーム内2位の記録を持つまでに成長し、更に彼の目はより上の段階―箱根での区間賞を見据えている。努力のランナーのこの姿は、間違いなくチームにプラスの影響を与えているだろう。4年間の集大成、努力の結晶の走りを、今大会で是非とも見せて欲しい。

特集
箱根駅伝特集「NEW YEAR」
 第1回 本多浩隆選手インタビュー
 第2回 宮城普邦選手インタビュー
 第3回 竹澤健介選手インタビュー

関連URL
早大競走部公式サイト
第83回箱根駅伝公式サイト

 

(TEXT=神崎風子、PHOTO=横山真弓)

 

 


 
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