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――その中で今年の全日本選手権を制されて、四大陸選手権でも優勝しましたよね。

村主 運が良かったんです(笑)。

――世界に挑むときというのは、どんな心境なのでしょうか。

稲田 私は日本選手権とかよりも外国の試合の方が、思いっきりできるから。結構リラックスできるんです。日本の大会の方が緊張しちゃうんです。

村主 それは私もいっしょです。全日本選手権ほどプレッシャーの大きい大会はないです。

稲田 それでもオリンピックは別でしたよ(笑)。

村主 私はオリンピックのかかった全日本のレベルまでしか行ってないから、分からないですけど(笑)。

――全日本がそんなにプレッシャーがかかるのは、やはり「選考」ということがかかっているからですか?

村主稲田 そうですね。

稲田 独特ですよね、全日本とかの雰囲気って。

村主 言葉では言い表せないような感じですよね。水泳がそうなのかは分からないですが、フィギュアは人が見て判断する競技なので、すごく運も関係するんですね。滑走順とかもすごく影響あるし。自分では頑張ろうにも頑張れないところがあるから、すごく難しいですね。

――四大陸選手権はテレビ拝見しましたが、満面の笑みでしたよね(笑)。点数発表のときとか。

村主 でも出来としてはあまり良くなかったんですよ(笑)。7、8割くらいしかできてなくて。で、前日の規定演技の方が、失敗はしたんですが、納得のいく演技でした。練習してきたことがちゃんとできた試合だったと思いますね。ただ、課題が多く残ってしまって、先生はなんか「うーん」とか考えてしまってましたけど(笑)。でも、本当に運が良かったんですよ。滑走順もすごくよかったし、一番になるであろう選手が失敗したということもありまして。

――高校1年生で全日本選手権に優勝して、それからしばらく勝てなくて、そして今季また結果を残してきていますけれども、勝てなかった時期はどのような心境だったのでしょうか。

村主 ケガが多かったんですよね。今年は、ここまでケガをしないで計画通り練習できているというのが大きいです。私についている先生も今年で2年目なんですけど、その先生とすごく合っていて、私は練習をやり過ぎる傾向があるんですけど、それを抑えてコントロールしてくれていますし。みんなに「最初の時に全日本をとって、結果がでない時期があった」って言われるんですけれど。私は本格的に始めた時期が中3と遅かったんですね。それでは結果はすぐには現れないですよね。やっぱり4年も5年もかかるものだと思います。

――「ケガをしている中でも、どれだけできるか」ということでケガをされていても出場はしていたと聞いているのですが、結果が出ないことには納得していたのでしょうか。

村主 昨年はシーズンに入るときにケガをしてしまったんですけれど、次のオリンピック、来年のソルトレイクをずっと考えていたんですよ。そのときにケガをしていないという保証は何もないですよね。そういう中でもできるように、ケガをしていてもできなくてはいけない、ということで大抵の試合は出ていたんです。

――稲田さんもバルセロナに出てからアトランタに出ることができず、一昨年に復活ということがありましたよね。その出れなかった時期はご自身いかがでしたか。

稲田 アトランタを目標にやっていたんで、本当に悔しかったんです。アトランタのときに高3で、そのときに「私の水泳人生は終わったな」という感じで、特に水泳は「中・高がピーク」ということがあったので。「もう終わりだー」ってなったんです。でも、やめるにやめられなくて。ダラダラ大学でも続けてまして。大学に入ってから、中大に入った彼女(中村真衣・源純夏ら)たちがいますよね。あの子たちが大学に入ってからも記録を伸ばしていったというのを見ていまして。自分にもできるのかなと思い始めたんです。でもやっぱり1・2年は何の目標もなく、だらだら続けている時期がありまして。そのときに、それまではほとんど何も言わないようなコーチから「そんな風にやっていてもおもしろくないだろう」と言われたんですね。それが「本当にそうだなー」と感じて。それがシドニーの2年前でした。それで「ここまで落ちたら、オリンピックに出れても出れなくてもいい。もう一回やってみよう」と思ってやり始めたら、次の年にユニバーシアードでいい記録が出て、すごくうれしかったんです。でもその次の年がオリンピックということで、アトランタの前年もいい記録が出せたんですね。でも選考会ではダメで。「あ、同じパターンだ」っていうのが頭にあって。やっぱりシドニーの選考会では、それがよぎったんです。「いいタイムなんて出さなければよかった」とも思いました。心配は心配でしたけれども、一応2位に入って選ばれて、その時はホッとした、という感じでしたね。

 

 

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