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2002/11/27 [ラグビー蹴球部]

ラグビー早明戦徹底ガイド

 
ラグビー早明戦過去10年間の戦績
通算成績は早稲田の41勝34敗2分
スコア
68
平成4年
●12-24
69
平成5年
●14-21
70
平成6年
●15-34
71
平成7年
○20-15
72
平成8年
●15-19
73
平成9年
●21-27
74
平成10年
●24-27
75
平成11年
●10-27
76
平成12年
77
平成13年

 今年も12月の第一週の日曜日がやってくる。早慶戦での大勝を見て、楽勝という予想をしている人もかなりいると思う。しかし、本当にそうか。昨年度も同じ状況だったのを思い出してほしい。昨年度も下馬評は早稲田の圧倒的優位。しかし、そんな状況で早稲田はロスタイムでの逆転という試合運びを強いられることになった。「早明戦の明治(早稲田)は違う」というのはいわばラグビー界の定説だ。これだけ早稲田の圧倒的優勢という状態で行われる早明戦も珍しいが、下馬評はあてにならない。早明戦は毎年激戦になるのだ。今回戦うのは「明治」ではなく、「早明戦の明治」なのである。

早明戦とは

早明戦とはいわずもがな、一般にでも名を知られるラグビーの代名詞といっても過言ではない。過去にも日本ラグビー史に永遠に刻み込まれる87年の雪の早明戦、95年のノーサイド直前の逆転トライを始め、数々の名勝負を産んだカードだ。データとしては41勝34敗2分と早稲田がリードしているが、過去10年間では早稲田は3勝7敗と負け越し。ただ、早稲田は現在2連勝中で、3連勝となると1963年から1976年にかけての1引き分けを挟んでの14連勝の時以来になる。この一番は25年以上の長い歴史を打ち破るためのものだ。

早稲田の戦力分析

 
早稲田の今季の試合を抜粋
オ大戦は日英大学対抗ラグビー、
法政戦は交流戦。残り試合は対抗戦。
相手
スコア
9.15
オックスフォード大
△23-23
9.22
法政大
○43-31
9.29
東京大
○156-0
10.6
青山学院大
○128-7
10.20
筑波大
○43-13
10.27
日体大
○90-27
11.3
帝京大
○64-10
11.23
慶應義塾大
○74-5

 早慶戦より前に関しては、こちらの早慶戦ガイドを参照してほしいが、今回は早慶戦を踏まえた上で書いていこうと思う。早慶戦の時に感じたのは、主に2点、「ラインアウトの不安定さ」と「ノックオンなどのミスの多さ」である。あまりに完勝であったためあら探しに見えなくもないが、ロースコアでの接戦勝負になったとき、細かなミスが大きく響いてくる。今期早稲田が苦戦した試合は関東学院との2試合(春の35-34夏の26-14)、法政との交流試合(43-31)、オックスフォードとの引き分け(23-23)であることを考えると、出会い頭で21点リードされた法政戦を除くとロースコアでは分が悪い。過去、早明戦の明治に早稲田は50点以上取ったことがない。最高得点も一昨年の46点であり、さらにそのときは38点も取られているのだ。爆発的な攻撃力が売り物だけに、その攻撃力が封じられたときの防御力が課題となろう。

 メンバーにも不安要素がある。SO大田尾が早慶戦で怪我をして欠場が決定的だ。不動の司令塔だけにかなりの痛手だ。SH田原=SO大田尾のコンビは学生随一のコンビネーションを誇っていただけに大きな不安要素だ。代役はCTBだった安藤がおそらく務める。もともと安藤はSOをやっていたのでプレー自体には問題はない。しかし、課題はブランク。能力のある選手だけに、この大一番で昔のキレ、感覚を取り戻したゲームのコントロールを期待したい。

 

 しかし、改めていうまでもないが、早稲田の戦力は整っている。早稲田が優勢というのは揺ぎ無い下馬評だ。ここであえて注目したいのがFLのポジションだ。早慶戦のMVPはまさしく川上と羽生という両FLだろう。FL自体がどんどん大型化していく中、早稲田のFLはいまだに軽量だ(羽生:173cm/75kg 川上:172cm/82kg)。これはどうしてかというと、監督は2人をタックルマンとして期待しているからだ。羽生の運動量はまさしくダントツだし、川上の鋭いタックルは敵を恐れさせる。早稲田がまるで17人で戦っているような彼らの神出鬼没な働きをぜひ早明戦では体感してほしいと思う。

 

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(TEXT=山田浩平、PHOTO=田村拓実、鈴木英介)
 


 
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